月刊BOBの長寿連載、『日本全国売れっ子スタイリストを探せ！』。
なかなか知ることのできない、リアルに売り上げが高い美容師さんの数字や取り組みを赤裸々に取材するこの企画。2004年に「人が好き！美容が好き！」というメッセージを掲げて始まり、名前や形を変えながら日本全国の200名近い美容師さんを紹介してきました。（現在の連載タイトルは「日本全国売れてるスタイリストを探せ！」）
働き方、ライフプラン、キャリアプランのヒントが詰まっていて、掲載はいつも雑誌の後ろのほうですが反響の大きい企画です。
ボブログでは2004年の連載第１回から再編集して掲載。今回は第3回です！
全国売れっ子スタイリスト連載第3回 小森三起［calm hair（カームヘア）／兵庫県西宮市］2004年6月号掲載
小森さんの売り上げデータ
プロフィール
こもりみき／1976年4月27日生まれ。兵庫県西宮市出身。関西美容専門学校夜間課程をアルバイトしながら卒業し、インターンでcalm hairに入社。1999年スタイリストデビュー。
サロンデータ
calm hair（カルムヘア）
オープン：1992年
スタッフ数：12人（レセプションを除く）
広さ：100坪
場所：阪神甲子園駅から歩いて1分。交通量の多い道路に面する
フリーの新規は取らずに200万越え
後輩育成のため、新規客は紹介だけで売り上げを上げている。
小森さんが売れている理由
8坪から100坪へ。カルムヘア急成長の秘訣と、人見知りだった小森さん
代表が1人で経営していたサロンに入社したため、入社直後からNo.2の小森さん。いきなり代表の片腕としてキャリアがスタートし、8坪のサロンが100坪になるまでを潜り抜けてきた。2002年12月の店全体の売り上げは14人で1400万円。「流行る店づくりはしくみづくり」と語る代表とともに作り上げてきた、お客さまへ示すサロンの指針が以下。徹底的にお客さまに寄り添う姿勢が表れている。
今では新卒者を10人も採用するサロンになったカルムヘアで、変わらずにNo.2の小森さんは後輩からの支持もアツい。「たくさん考えていて、責任感が強くて、人のことを思える。だからお客様からの支持がすごい」「小森さんはモノの見方がちゃんとしていて、有言実行」「思いがある人」
そんな小森さんも、入社当初は人見知りが激しく、人と目が合わないようにいつもうつむいていた。だからこそ、人と関わり合える美容の仕事にあこがれたのだという。
「当時の写真を見られると思わず怒ってしまいます（笑）。でも、そんな私でも200万スタイリストになれたんよって後輩指導の材料にしています」
アシスタントを増やしてフリーを取ればすぐに300、400万円をこえられるのに、サロンのことを考えてしないところがニクい！そう周囲から評価される小森さんの地道な指導でベーシックができる若手が育っている。
２年後、400万越えをめざすための課題は紹介新規
再現性の高いナチュラルスタイルを武器に支持を集めてきた小森さんだが、自分の成績が伸び止まると後輩に対する説得力に欠ける。だから、200万円をこえた売り上げを2年後に400万円まで延ばしたいと語る。フリーの新規を取らずに売り上げを上げていくには、まずは紹介新規だ。
「スタイリストはあるレベルを超えたら紹介のお客さまがいかに増えるかがポイントなんだと今は肌で感じています。紹介してもらうには、まず固定のお客さまに今まで以上の満足を与えること。お客さまに、私じゃないとダメと思ってもらうのに何が必要なのか。お客さまのことをどれだけ親身に考えることができるのかを考えています」
そのために、人間力、接客力を磨き、デザイン表現力を身につけたいという。スタイリストを37まで続け、後進育成に回りたいというキャリアプランも明確だ。
