月刊BOBの長寿連載、『日本全国売れっ子スタイリストを探せ!』。なかなか知ることのできない、リアルに売り上げが高い美容師さんの数字や取り組みを赤裸々に取材するこの企画。2004年に「人が好き!美容が好き!」というメッセージを掲げて始まり、名前や形を変えながら日本全国の200名近い美容師さんを紹介してきました。(現在の連載タイトルは「日本全国売れてるスタイリストを探せ!」)働き方、ライフプラン、キャリアプランのヒントが詰まっていて、掲載はいつも雑誌の後ろのほうですが反響の大きい企画です。
今回は月刊BOB2004年12月号掲載の第9回をご紹介します(記事内容はすべて、取材当時のものになります)。
全国売れっ子スタイリスト連載第9回 SALON DE MORI(サロンドモリ)/福島県いわき市]2004年12月号掲載
鈴木由香理さんの売り上げデータ
プロフィール
すずきゆかり/1975年10月12日生まれ。福島県いわき市出身。福島県立平商業高等学校経理課を卒業。高校生のときに行った美容室で「将来は美容師もいいなあ」と考えたが、両親の意にそわず、美容学校の学費を出してもらえず。サロンに就職してから美容学校に通える制度がある(株)モリ ビューティ コーポレーションを知り、入社。マリールイズ美容専門学校通信課程を卒業して、2001年からサロンドモリの店長を務める。
サロンデータ
(株)モリ ビューティ コーポレーション
オープン:1971年
スタッフ数:60名
入社10年目 指名客数204名の快挙
以前は自分を指名してくれたお客は、すべて自分でやって、アシスタント任せにはしたくなかった。
それが今はお客に不安を感じさせないで、アシスタントにバトンタッチして任せられるようになったという。
これが、客数を多数こなせるようになった理由。
「私が離れても、お客さまとアシスタントの会話がそのまま続いて、しかも笑い声が起きたりすると最高にうれしい。お客さま、スタイリスト、アシスタントのトライアングルの理想形ですよね(鈴木さん)」
駆け込みで採用が……
美容師を志すも、両親の反対を受けて美容学校の学費を出してもらえなかった鈴木さん。
サロンに入社してから美容学校に通うことができる(株)モリ ビューティ コーポレーションを知るも、すでに採用期間は終わっていた。
無理に面接試験を受けさせてもらい、無事合格した。
「私はラッキーガール(笑)。入社の面接が終わっていたのに駆け込みで採用していただいたし、店長に立候補するほどの度胸はないけど、指名してくれました。ラッキーです。自信なんてなかったけど、いいチャンスをいただいて伸び伸びやらしてもらっている。めぐり合わせがいいですね(鈴木さん)」
同期入社は4人だが、最後に1人、駆け込み入社したのが鈴木さんだった。しかしすでに、他の3人の同僚は結婚退社している。
資格試験の筆記、技術試験ともに、3回目でようやく合格。「余計にお金をかけさせてしまったし、4人の中では一番出来が悪かったんです」という、そんな新人時代だった。
ちょこっとチェンジを実行
ちょこっとパーマのPOP広告
ロッド5、6本で処理する「ちょこっとパーマ」でパーマ比率のアップを目指している。と同時に鈴木さんは、ちょこっと変えるスタイルチェンジをお客に実行している。
「ほとんどのお客さまが少しイメージを変えたいと思っています。その気持ちに応えて、ちょこっと変えるんです(鈴木さん)」
パーマ比率30%、ヘアカラー比率45%。トリートメント比率28%。なかなか立派な実績と言えるだろう。
「よくしゃべって、よく笑うお客さまが多いんです。
スタッフからも言われるし、私もその通りだと思います。
似た者同士になるんですよね。お客さまからいつも元気をもらっています(鈴木さん)」
朝5時起床。昼のお弁当をつくり、7時半に家を出る。これは10年前と変わらない。
コメントを書く