突然ですが「ホテルみるぞー」(@hotel_miruzo)ってInstagram、twitterのアカウントをご存じですか? 某大手リゾートホテルマンとして現役で働きながら、自身の勉強はもちろん、人生を豊かにしてくれるホテルに出会える人を増やすために、訪問・宿泊したホテルをポジティブにかつ鋭い視点で紹介している、ぜひフォローをおすすめしたいアカウントです。
それぞれのホテルを紹介するコメントは参考にしかならない&写真も綺麗で目の保養。
何よりも、ホテルは泊まるだけの場所ではなく“新たな体験を売っている場所”だということを教えてくれます。
そんなホテルみるぞーさん(の中の人)に、美容師さんの「センス」を刺激するホテルを教えてもらえませんか? と聞いたのが今回の企画。
過去に訪れた全国のホテルの中から5つを選んでいただき、ホテルの解説&美容師さんへのおすすめのポイントを教えてもらいました。
「私にとってホテルは、テーマパークのようなもの」と言い切る、ホテルみるぞーさん。
「こんな時だからこそ“ステイケーション”(stayとvacationの造語)=“泊まること自体が休暇”になる体験をぜひ、近くの宿泊施設で経験してみてほしいです」とコメントを頂きました。
お店で一度でも「センスを磨きなさい」と言われたことがある美容師さんにはもちろん、美容室のサービス、差別化戦略にも役立つヒントがいっぱいです!
美容師のセンスを刺激するホテル① メズム東京、オートグラフ コレクション(東京・竹芝)
「美容師さんのセンスを刺激するホテル」という企画をいただいた時、まず思い浮かんだのがこのホテルです。2020年4月27日にオープンしたばかり、東京竹芝(湾岸エリア)にあるということで、絶えず波のように進化する……「TOKYO WAVES」がコンセプト。このホテル、とにかく“五感を刺激されるホテル”なんです。
実は有名なMARRIOTT系列のホテルなのですが、このオートグラフコレクションは唯一無二を提供するブランド。ということだけあって、細部にわたってこだわりを感じられます。例えば、電話の保留音ですら独特の世界観、他のホテルでは聞くことがないような音楽なんですよ。
①芸術家のアトリエをテーマにしたBar
宿泊しなくとも遊びに行けるBar「Whisk」は、芸術家のアトリエをテーマにしています。往年の絵画作品をモチーフにしたというドリンクメニューのユーモアセンスと遊び心は、創作意欲を掻き立て刺激してくれると思います。中には、哺乳瓶に入ったノンアルコールカクテルもあるんです!
②支配人の“ポンパドール”ヘアとスタッフのユニホーム
男性支配人の、どこにいても目に付く綺麗な“ポンパドール”ヘア!(ご本人がリーゼントではなく“ポンパドール”と呼んでいらっしゃる!) さらにスタッフのユニホームは、ヨウジヤマモト「Y’s」のユニセックスブランド「Y’s BANG ON!」とコラボレーションしているだけあり、とにかく洗練されていておしゃれです。
③館内の音楽
他のホテルでは聞いたことがないほどの、魅力的な音楽をぜひ聴いてほしいです。独自にキュレーションされたFGM(フォワード グランド ミュージック)が流れているそうなのですが、聴覚を魅了されるという感覚におちいります。音楽で場所の印象を残すという新しい体験ができます。
美容師のセンスを刺激するホテル② ホテル コエ トーキョー(東京・渋谷)
アパレルブランドが展開するライフスタイルブランド「koé(コエ)」のコンセプトである「new basic for new culture」を体現した、2018年にオープンしたホテルです。設計・インテリアデザインは建築家の谷尻 誠さん率いるサポーズデザインオフィスが担当されていて、無駄がそぎ落とされ洗練された印象を受けました。ゲストルームは日本の伝統文化「茶室」が現代的にアレンジされています。
①1階のオープンスペースに集まる人たち
ベーカリーレストランがある1階のオープンスペースに集まる人たちは、みんな感度が高い印象です。私はいつもここで食事をしながら人間観察をしていますが、みなさん本当にオシャレでかつ個性的で飽きません。
②表現したいことを様々な角度から発信する方法
『月刊koé』という、ホテルを回りながら読む雑誌があるんですね。ホテル自体が雑誌になっている、というお伝えの仕方が正しいかもしれません。“ブランドをホテルにして伝える”、“ホテルを雑誌にして伝える”そんな独特の発信の仕方や視点が、美容師さんのSNSでの発信にも役立つかもしれないと思いました。
美容師のセンスを刺激するホテル③ ホテルニューグランド(神奈川・横浜)
1927年に開業した、ヨーロピアンテイストのクラシックホテルです。横浜市認定歴史的建造物、経済産業省が選んだ近代化産業遺産にも認定されていて、CMやミュージックビデオ、映画でも使われている建物が特徴的です。
ホテルの近くにある山下公園には「西洋理髪店発祥の地碑」が立てられています。これは、幕末時代の日本初のホテル「ヨコハマ・ホテル」の中に、日本初の西洋理髪店があったことを示すものだそうです。美容師の皆さんも、温故知新の精神で訪れてみてはいかがでしょうか。
①上質で落ち着いたサービス
日々普通に生活していて、丁寧に扱ってもらえる経験をすることって、なかなかないですよね。このホテルでは本物かつ一流のサービスを受けることができるので、私自身のホテルマンとしてのサービスクオリティを見直すことにつながっています。美容師さんも同じ接客業、ぜひ来訪をおすすめしたいです。
②長く愛される理由を探せる
90年以上も愛されるこのホテルには、その理由がたくさんつまっています。私がこのホテルから感じるのは、人に寄り添う気持ちの強さ。ホテルニューグランドは「シーフードドリア」発祥の地ともされていますが、外国人ゲストが体調不良の際にのどごしがいいものをリクエストしたのが始まりだとか。その姿勢こそ、長く愛される理由だと思うんです。
美容師のセンスを刺激するホテル④ ザ ブレンド イン(大阪府大阪市)
昔工業地帯であり、現在はギャラリーやアトリエ、カフェなどが集まりアーティストの方が多く住んでいる此花区に建てられたホテル。昭和下町の雰囲気が残る街並みに、建築士の島田 陽さんがデザインした存在感ある建物が映えます。街全体から、このホテルから「センス」を刺激されることは間違いありません。
このホテル内に宿泊者以外が楽しめる施設はないのですが、興味があるので入ってみたいと声がけすれば、もしかしたら中も見せていただけるかも? そのくらいカジュアルな雰囲気ですよ!(笑)
①物づくりのセンス、物選びのセンス
「ブリコラージュ」=寄せ集めて自分でつくる、がホテル全体のテーマになっていて、置いてある家具は古い廃材や合板などを組み合わせてつくられているんです! それがまた芸術的で、変わったアイテムが並びます。組み合わせて新しいものをつくる、新しい価値を感じられる体験を楽しんでほしいです。
②カジュアルな文化交流
1階のラウンジには、広いシェアキッチンが備えてあって、他のゲストとカジュアルに交流することができます。もともと海外からのお客さまも多いエリアだということもあり、刺激のある文化交流が楽しめるのでおすすめです!
美容師のセンスを刺激するホテル⑤ ホテル アンテルーム 那覇(沖縄県那覇市)
アンテルームは、待合室という意味。次の目的地に向かうための場所がコンセプトになっているアートホテルです。作品をみるだけじゃなく、アートにふれることで内面を整えることができる場所だと私は思いました! 那覇に先立ち、アンテルーム 京都もあるので、関西圏の美容師さんにはこちらもおすすめです。
①ギャラリールーム
沖縄、京都、東京で活躍する若手アーティストの作品が飾られた部屋があるのも、このホテルの特徴です。大型のインスタレーションなどもあって見どころ満載、またお部屋にいながら沖縄とのつながりを感じられたり、旅の疲れが癒される空間です。ぜひ体験してみてください!
②アート作品の斬新なプレゼンテーション
フロントも部屋も全室ハーバービュー、その開放的なロケーションを活かしたアート作品の展示方法、見せ方がすごく面白いです。毎秒移り変わる自然の風景を背景にして、作品も毎秒ちがって見えてしまう。そのパフォーマンスの高さといったら、他のホテルが比にならないほどです。
③5種類パスタ食べ放題ランチ!
他のホテルとの差別化、楽しませ方がうまい! と思いましたね。5種類が食べやすいサイズで出来立てが運ばれてきますよ。私が行った時も観光客だけでなく地元の方もいらっしゃり、にぎわっていました。
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