ニックネームは「ガーナ」。ガーナチョコレートのようにガングロだったから、美容学生時代はクラスメートにこう呼ばれていた。
顔はガングロ、ヘアは爆発。裸足にビーサンの美容学生がサロン見学に来たらどうしますか?(笑)
今日はそんな美容学生が、上顧客が通う美容室に入社し、トップスタイリストとして支持されるようになるまでのお話です。
「ガーナチョコ」が美白した本当の理由
このガングロ美容学生、ヤル気だけは人一倍。
1年次からサロン見学に頻繁に出向く、上昇志向の高いガングロだった。
「今考えたら当たり前なんですけれど、見学先ではいい顔をされないことが多くて、『君が来るところじゃない』とハッキリ言われたこともありました。当時の私は自分が相手に“どう見られているか”なんて、これっぽっちも考えていなかったんですよね」
”TPOガン無視”だったこのギャルは、現在ASCHのトップスタイリスト 片岡あかね。
大林博之代表のヘアショーに感動し、楽屋におしかけ、
「私、ASCHに入りたいんですけど!」と勝手に決意を述べた。
片岡:「ASCHは美意識の高い幅広い世代の方達が通うサロン。サロン見学に行って、第一印象の大切さを思い知らされました。ヤル気さえあれば何でもやれると思っていましたが、立ち居振舞いや態度がものすごく大事だということも」
面接までの数カ月間で、猛烈に美白。
毎日欠かさずビタミンを摂取し、保湿を徹底。あかすりにも通ってなんとか白肌を手に入れた。
片岡:「こんな面接、通用するはずないんですけれど、ここから巻き返しまして(笑)。イラストが得意で似顔絵屋でバイトしていた経験があったので、オーナーの大林の似顔絵を描いて持って行き、自分がなぜASCHに入社したいか? ASCHへの想いをアピールしたんです。私みたいな元ガングロを採用してくれた大林の懐の広さには今でも感謝しています」
似顔絵でタイムパフォーマンスも向上!
似顔絵力はスタイリストになってから大いに役立った。
カウンセリングの際、持込画像やヘアカタログの写真だけでは、お客さま自身がそのスタイルにしたときの完成形が想像しにくいため、イラストを描くことでイメージを共有してきた。
片岡:「自分のイメージを伝えるとき、言葉だけだと細部の説明に時間がかかることもあるので、似顔絵が描けるとタイムパフォーマンスは格段に向上します。好きを極めたらヘアのカウンセリング、ネイルアート、スマホケースのデザインまで仕事の幅が広がりました」
さらに色彩検定の資格を取得し、ASCHのネイリストとしても活躍。細かいアートやキャラクターアートを希望するお客の指名が増えたという。
片岡:「ポジティブに自分の好きを極めていくと、思わぬところで共感してもらえたり、人と人とのつながりが増えたり……。今ではスマホケースのペインティングデザインにまで幅が広がって、その1つひとつが美容師の仕事にもフィードバックされています」
こうしてガングロ美容学生は、月平均170万円を売り上げるトップスタイリストになった。
片岡:「この記事を読んでくれたこれから美容師を目指す人やアシスタントに伝えたいのは、続けることが大事だということです。何かをやり続けることは、ものすごく自分の個性につながるなって思います。最初は何でもいいと思う。たとえばショートボブに絞って撮影するとか、お客さまの名前をとにかく覚えるとか、何が活かされていくかは自分次第なんですよね」
すぐに成果が出なくても、続けていくことでそれが強みに変わる。
『人を元気にさせたい』というのが片岡さんの行動指針。これからもこのモットーはブラさず、
ポジティブシンキングでどんな状況も楽しんで、新しいことに挑戦していく。
片岡あかね[ASCH(アッシュ)/愛知県名古屋市]
かたおかあかね/1987年10月1日生まれ。中部美容専門学校卒業後、ASCHに入社。2012年のデビュー月には300名以上のお客を呼んだ実績を持つ。現在はASCH檀渓通店のトップスタイリスト兼トップネイリスト。
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