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創業から5年で120店舗。ありえない出店スピードを可能にする時間と頭脳の使い方

創業から5年で120店舗。47都道府県全てへの出店をめざし、すでに43の都道府県に展開しているDears。その驚異的な出店スピードは、徹底的に無駄を省いた仕組み化にあります。前代未聞ともいうべきこの出店ペースを可能にした北原孝彦さんとはどんな人物なのか? 彼の考え方や行動原理には、タイムパフォーマンス向上のヒントが隠されているはず。NEXT LEADER 2019年4月号の特集を再編してご紹介します。

 

無理・無駄・ムラを省いたシステムを構築

北原さんは勤めていた長野県のサロンを退職後、アフィリエイターとして活動。多いときには月間に1000万円の収益を上げていたそうです。ブログを更新し続ける傍ら、美容室出店の仕組み化のシミュレーションを重ね、2015年実行に踏み切りました。

Dearsの出店の仕組みはとても合理的。既存の美容室からFCオーナー希望者を募り、ノウハウを提供して看板を架け替えます。サロンはすベて小規模店舗で、売りは個室で提供する髪質改善メニュー。ツヤ髪が売り物なので、カットやカラーと異なりトレンドや好みに左右されず、一度技術を身につければアップデートの必要がほぼありません。アシスタントを必要としないワンオペなので、人時生産性は自ずと高くなるという仕組み。

1日の平均入客数は3人。管理職は負担が大きいので、店長はおきません、スタッフは予約の入っていない時間はサロンにいる必要がなく、家事や子どもの送り迎えなども可能。働きやすい環境と平均年収400万円を超える高待遇で求人には全く困っていないとのこと。

仕組み化の目的は、無駄や無理をなくし、誰にでもできる再現性の高いサービスを提供すること。Dearsの場合、既存の店舗を利用するので出店のコストが抑えられています。つまり無駄や無理がありません。髪質改善が売りなので、どの店舗でも同じサービスを提供できる。つまりムラもありません。徹底的な仕組み化により、驚異的なスピードで店舗展開ができるのです。

 

効率化に全振りし、時間を生み出す

この仕組みを構築した北原さんの生活もまた、無駄・無理・ムラがありません。その生活ぶりの一部をご紹介。

Dearsは全国で展開しているので、コロナ前には月に20日は出張していたという北原さん(※今年は出張を自粛中)。効率的に動くため、なるべく自家用車で移動しています。大型のミニバンなので車中泊も可能。

運転している時間も無駄にしません。ハンズフリーで通話をしながら、移動時間を打ち合わせに当てます。Bluetoothのイヤフォンとモバイルバッテリーはそれぞれ2点を用意。ガジェットは生命線です。

出張には大量のDVDを持ち歩いています。作業中に映画を流しますが、ストーリーを追うわけではありません。物音一つしない静かなオフィスより、適度な雑音が聞こえる方が集中できるといいます。

 

着るものに悩む時間がもったいないので、無地のTシャツと黒のパンツが定番。Tシャツはビジネスホテルの洗面所でガシガシ洗い、へたったら新品に交換。全国どこでも手に入るもの、Amazonで買えるものが選択の基準。

足元は1年365日サンダルを着用。靴下を履く手間、洗濯する手間が要らないから、というのがその理由。とはいえ、真冬は流石に靴を履くとのこと。

移動手段や持ち物、ファッションから見えてくるのは、無駄な時間や労力を徹底的になくす合理性。その分、ビジネスのシミュレーションに注力し、大胆な決定を下すことができるのです。

 

大事なことは「少年ジャンプ」から学んだ

Tシャツが定番だった北原さんですが、最近はスタイリストをつけ、服のチョイスも購入もスタイリストにお任せ。これも小さな選択に時間や労力を使わないための投資ちょっとよれよれのTシャツから、スタイリストが選んだスタイリッシュな服装へ。ファッションのアップデートともに、その事業もまた次のフェーズへ移りつつあります。

ECサイトの月間売上は月間5000万円を達成。47都道府県への出店も目前で、めざすは200店舗。美容室事業の後に見据えているのは、農業やホテル業といった異業種への進出です。スケールの大きな計画に驚かされますが、今まで有言実行してきた北原さんのこと。今も愛読しているという「週刊少年ジャンプ」さながらに快進撃を続け、勝利を収めてくれるはず。タイムパフォーマンスを極める北原さんからは今後も目が離せません。

 

北原孝彦[Dears]

きたはらたかひこ/1983年6月4日、長野県生まれ。松本理美容専門学校卒業。長野市内の美容室勤務時にアフィリエイトを始める。退社後はアフィリエイターとしてコンサルタントやセミナーを行いながら美容室事業の構想を練る。2015年長野市に1店舗目をオープン。フランチャイズ展開していき、現在43都道府県120店舗まで拡大。47都道府県全てへの出店に加え、異業種への参入も計画中。

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