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U-REALMがヘアサロン業界初の認証取得。新型コロナの第三者サポート

2020年6月23日、東京・表参道に美容室U-REALMなどを展開する有限会社チャーム(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高木裕介)は、医療機関・高齢者施設のコンサルティング業務や事業サポートを行う株式会社キャピタルメディカ(本社:東京都港区、代表取締役:古川淳)とCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関するアドバイザリー契約を締結したと発表しました。
美容室は「生活に必要な業種」とされながらも、各社感染リスクへの対策・衛生管理に日々神経を使われていると思います。
withコロナ時代、美容室はどんな点に留意して営業していけばいいのか。今回のアドバイザリー契約の経緯を通して、高木さんに展望を聞きました。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関するアドバイザリー契約って?

今回の「アドバイザリー契約」とは、具体的にどういうことですか?
編集部
編集部
高木さん
高木さん
まず、6月に通常営業を開始する際に、感染防止対策のガイドラインをつくってもらいました。さらに、このガイドラインを遵守して運営施設に対して付与される「BBB(ビルド・バック・ベター)認定証」を発行してもらいました。

 BBB(ビルド・バック・ベター)認定証)とは?

医療機関・高齢者施設のコンサルティング業務や事業サポートを行う株式会社キャピタルメディカが専門的見地に基づき「事業に与えるインパクトを最小限としたガイドライン」を策定し、その企業に発行される証明とのこと。ヘアサロン業界では初の事例となる。

キャピタルメディカの「BBB」に関するホームページによると…

  • 「BBB」とは Build Back Better の頭文字を取ったものであり、「よりよい社会の再建」を意味します
  • 認定証はキャピタルメディカが監修したガイドラインを遵守する組織・施設であることの証明となります

※本認定証は、あくまでもキャピタルメディカ独自の基準に基づき発行するものであり法的効力等は有しません。※認定証の発行方法(盾・証書・ステッカー等)については契約締結時にご相談をさせて頂き、適切なものを採用致します。

https://capimedi.com/bbb/

ガイドラインはどのようにつくったのですか?
編集部
編集部
高木さん
高木さん
キャピタルメディカに在籍する医療従事者の方にサロンに視察に来てもらい、オペレーションを見たうえで、どんな点に感染リスクがあるのかを洗い出してもらい、取り決めをつくりました
手指消毒や検温など、既に独自で取り組んでいたこともありましたが、お客さまの入店から施術、退店までの感染リスクを、第三者の目で洗い出してもらうことにはとても意味があると思います。

第2波のリスクがある以上「かからない」よりも「万が一」に備えること

マスクや手袋などゴミの捨て方も細かく取り決められているんですね。社内だと当たり前にやっていることを見落としてしまいそうだから、専門家かつ第三者に見てもらうのは大事ですね。
編集部
編集部
高木さん
高木さん
そうなんです。緊急事態宣言は解除されましたが、今後第2波のリスクがあることを考えると、独自のやり方では太刀打ちできないと感じています。
やはり、これからも感染予防を前提として営業していかねばならないのでしょうか。
編集部
編集部
高木さん
高木さん
というよりも、感染者が「出ることを前提に」という発想で対策をしていくべきだと思います。約25万軒も美容室がある中で、どんなに気を付けて営業していても、美容室から感染者が出ないとは限りません。感染者が出るとその業界や業態が責められる風潮がありますが、今やどこでもそのリスクはある以上、出てしまったときの対応が重要なんです。
今回の契約では、感染者が出てしまった際にどんなフローで対応したらよいのか、医療機関はどこに行けばよいかなどのバックアップもしてもらえることなっています。
確かに。万が一何かがあったときに「独自に管理していました」というのでは心もとないですよね。
高木さん
高木さん
そう思います。こういったサポートをしてくれる企業の力は積極的に借りるべき。もちろん費用はかかりますが、特に都心のサロンは広告費にお金をかけていることを考えると、その前に危機管理面に予算を割くのはこれからの時代には必要だと思います。
「第三者の目が入っています」ということはお客さまへのリスクコミュニケーションにもなりますよね。
編集部
編集部
高木さん
高木さん
はい。弊社だけでなく、美容業界全体にこういった企業の存在が広まれば、サポートしてくれる企業も増えるかもしれません。
本来美容業は他業種に比べて衛生知識もあるし、清潔に気を付けている業種。だからこそ、万が一感染者が出てしまったときに「これだけ対策していたんです」と胸をはっていえなければいけない。客観的な証明ができないと、世間は納得してくれないので、こういった企業のサポートがあることをぜひ知ってもらいたいと思います。
安心・安全はこれから美容室選びの基準にもなりそうですね。
編集部
編集部
高木さん
高木さん
感染症に対して、いろんな捉え方の人がいるのはわかっています。ですが、気にしていない人も心配な人もみなさんに来ていただきたい。マスを取るとなると、対策は万全に越したことはありません。

スタイリスト1人で売り上げを上げられるオペレーションへの変容

そのほか、withコロナ時代に美容室が変わるべきところは何だと思いますか?
編集部
編集部
高木さん
高木さん
売り上げの組み立て方ですね。アシスタントを使いながら売り上げをつくっていたスタイリストは、このコロナ禍でアシスタントを休ませなければいけない状況の中、苦しい思いをしたのでは。アシスタントを現場で使うことが「教育+手伝い」という業態が、ひょっとしたら変わっていくかもしれないと思いました。
今後のリスクに備えて、1人である程度売り上げをあげられるオペレーションを確立しておく必要があると思います。
なるほど。最後に、今回打撃の大きかった都心のサロンの価値はどうなっていくでしょうか?
編集部
編集部
高木さん
高木さん
今、地方に目が向いているのなら、中央・都心を盛り上げていかなければいけないと思います。元々働き方改革や社会保障の面で、表参道・原宿界隈の都心サロンは地方に後れを取っていましたが、この5年くらいで都心の水準も上がってきました。
そうなってくると、今守らなければならないのは技術やデザインです。オンラインやリモートでできることも広がりますが、技術やデザイン、トレンドなどは人が集まる都心から生み出されていくのは変わらないと思う。
そういう場所に美容室を構える会社として技術やデザインの価値を追求していくために、守りをしっかり固めなければという使命感を持っています。

高木裕介[U-REALM(ユーレルム)/東京・表参道]
たかぎゆうすけ/1977年8月15日、北海道生まれ。山野美容専門学校卒業。2005年東京・表参道にU-REALMオープン。雑誌や広告、タレントのヘアメイクとして活躍しながら、経営者としてスタートを切る。2店舗目まで出店した2010年頃、経営の伸び悩みを実感し、労務改善や女性美容師育成などの経営改革に着手。徹底したブランド戦略と教育の見直しを行い、青山・原宿系デザインサロンとしての強みも残しながら、銀座や渋谷など激戦区を中心に16店舗まで成長。美容室経営のほか、飲食店など他業種の経営でも手腕を発揮。パブリック、プロフェッショナル問わず美容商材の製品開発にも携わる。
著書に『100万レイヤー+60万の仕組み』(髪書房刊)。

【有限会社チャーム】
所在地 : 東京都渋谷区神宮前5-6-13 ヴァイス表参道2F
事業内容 : 美容室の経営
ホームページ:https://www.u-realm.com/

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