月刊BOBの姉妹誌、サロン経営者向けの「NEXT LEADER」編集長のもとには全国のオーナーさんから意見や取材要望が寄せられます。新型コロナウイルスの影響で気になる資金繰りのことを、皆さんの声をもとに「結局何をすべきか」だけまとめました。専門家に監修していただいています!
昨日は休業対策についてお伝えしましたが、本日は資金繰りを5項目でお伝えします!融資の申し込みのコツまでフォローし、「今、何をすべきか」をまとめています!
被雇用者であるスタイリストさんにとっても、知っておくことで自分や自分のサロンを守れる情報だと思います。5項目2000字!秒で読み終わりますのでぜひ下まで見てみてください。
中嶋政雄(なかしま税務労務事務所):監修
申請できる資金繰り対策まとめ
数ある資金繰り対策の中でも代表的なものを紹介。日々情報が更新されるので、惑わされないためにも、必ず国からの「一次情報」にあたることが大事。
資金繰りが危ない場合→お金を借りる
項目1)で解説する新型コロナウイルス感染症特別貸付
項目2)で解説するセーフティネット保証4号、5号
項目3)で解説するマル経融資の金利引き下げ
どれを選ぶかは 項目4)で解説
売り上げが激減した場合→お金をもらう
項目5)で解説する「持続化給付金」
資金繰りのために結局やるべきこと5
項目1)新型コロナウイルス感染症特別貸付で借りる
問い合わせ先/日本政策金融公庫
融資でまず検討したいのが日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付。利率マイナス0.9%とあるが、一定の要件を満たせば政府が実施する「特別利子補給制度」と併用することことで金利負担が実質ゼロとなる。
対象:最近1カ月の売上高が、前年または前々年の同期と比較して5%以上減少など
融資限度額:別枠6,000万円
利率:当初3年間基準金利マイナス0.9%(低減金利は3,000万円まで)
返済期間(据置期間):運転資金は15年以内(うち5年以内) ※設備資金は20年以内(うち5年以内)
項目2)セーフティネット保証 4号、5号
問い合わせ先/最寄りの信用保証協会
コロナ禍で売り上げが20%以上下がった場合は、借入債務が100%保証される4号が適用される。5号は5%以上の減少が対象だが、保証が借入債務の80%となる。
●セーフティネット保証 4号
対象:突発的災害の発生が対象。売上高が前年同月比20%以上減少の場合など
保証:一般保証とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の100%を保証
●セーフティネット保証 5号
対象:業況の悪化している業種が対象。売上高が前年同月比5%以上減少の場合など
保証:一般保証とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の80%を保証
項目3)マル経融資の金利引き下げ
問い合わせ先/日本政策金融公庫または最寄りの商工会、商工会議所
商工会議所などの経営指導を受け、推薦を受けた事業者はこちらも選択可。無担保・無保証人で別枠1,000万円、マイナス0.9%の特別利率で融資が受けられる。
対象:最近1カ月の売上高が、前年または前々年の同期と比較して5%以上減少など
融資限度額:別枠1,000万円
利率:当初3年間基準金利マイナス0.9%
返済期間(据置期間):運転資金は7年以内(うち3年以内) ※設備資金は10年以内(うち4年以内)
項目4)どの融資制度を選ぶか
候補①「新型コロナウイルス感染症特別貸付」には3年間無利子となる「特別利子補給制度」があるので、利子負担を考えると一番負担が少ない。
候補②手元資金に不安がある人は「セーフティネット保証4号、5号」と同時進行で融資申請を。民間銀行ですでに借り入れがある人は、まず取引先の銀行に相談を。
候補③商工会議所経由で融資を受けたことがある人は「マル経融資」も選択可。
一番負担が少ない「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の融資を1日でも早く受けるには?
★提出は「郵送」で
窓口は混雑している。ネット申込は結局後日資料を提出する必要がありタイムラグが生まれる。
★「不備」をなくす
提出先の間違い、記入漏れ、判読不能、資料不足の場合は確認作業が必要となる。
★「適正な申込金額、借入希望日、返済期間、据置期間」を書く
目安は月売り上げ2~3か月分。電話だけの面談で融資が通過しているケースは「申込金額300~500万円」「返済期間7年」「据置期間6カ月」
※据置期間とは期間中は利息だけの支払いにすること
→融資申請のポイントを中嶋先生が解説したyoutube動画がこちら!
新型コロナウイルス感染症特別貸付について知っておくべきこと
・請負契約の個人事業主は利用できない
・融資は何度でも利用可能
・早く申請しないとなくなる、ということはない
・セーフティネット保証と重複適用できるので、資金に不安がある場合は両方申請するとよい
・自店を管轄する公庫に郵送提出する
・わからなくても「空欄」のまま提出しない
・融資制度上限額、上限期限で申請するのは絶対NG
・融資金着金までの期間は早くて1カ月半前後。今後はさらに時間が必要なので、余裕を持って申請すること
・公庫の負担を減らすことが融資手続きを早くする秘訣
項目5)持続化給付金
問い合わせ先/中小企業 金融・給付金相談窓口(0570-78-3183)
補正予算の成立待ちとなるが、新型コロナで売り上げが半減した人には「持続化給付金」がおすすめ。融資ではなく給付なので、当てはまる場合は忘れずに申請したい。
5/1ボブログ編集部追記:持続化給付金申請開始しました。公式ホームページはこちら。わかりやすいサイトなので詳しく解説しませんがもし疑問があれば追加取材しますので記事のコメントなどでボブログへお寄せください。
【対象】中小企業、小規模事業者、フリーランス(5/2追記:事業所得として申告)を含む個人事業者など
【要件】売り上げが前年同月比で50%以上減少
【給付額の計算式】前年の総売上(事業収入)-前年同月比マイナス50%の売上月×12カ月を減少分として算出
【給付額】法人では上限200万円、個人事業主では上限100万円
【特徴】返済不要で課税(非課税とされていましたが、課税であることが判明したため5/2に修正しました)
【提出資料】
法人の場合①法人番号②2019年確定申告書類の控え③減少月の売上台帳など
個人の場合①本人確認書類②2019年確定申告書類の控え③減少月の売上台帳など
【申請方法】オンライン申請、または全国の受付窓口(現時点では未定)
以上の情報は4月17日取材時点のものです。日々更新されますので、詳細は以下の問い合わせ先にご確認ください。
雇用調整助成金の問い合わせ先:最寄りのハローワーク及び労働局
なかしま税務労務事務所の公式アプリでは、コロナ対策の一次情報、融資制度、助成金、補助金情報を一覧で見ていただくことができます。
さらに、日本政策金融公庫の融資申請のポイントを紹介したyoutube動画も。こちら
この記事の引用元であるNEXT LEADER6月号は5月1日発売です。詳細はこちら
特集は「美容室のリスクマネジメント」。今回のコロナショックを
会員誌のため、
[…] 中小企業のほか、個人事業主も対象です。詳しくは当ブログのまとめ記事をご覧ください。 […]