BOB8月号の特集は、withコロナ時代の新しいサロン様式!
現在好評発売中の月刊BOB8月号は、withコロナ時代の美容室の衛生管理・時間・オペレーション・客数確保について。「新しい生活様式」に即した、「新しいサロン様式」を考えます。
その中から、今回ボブログでは徹底した衛生管理によって変わった、サロンでのコロナ対策の一例をご紹介。(2020年6月取材時の対策内容です)1月からコロナ対策を始めて、現在に至るまで遠方客以外は失客ゼロ。通常営業を貫いてきた、のりこ美容室・前田秀雄さんのコロナ対策をチェックしましょう!
最新の情報を加えて動画化しました!”やってマイナスにならないことは全部やる”!現時点での最高のコロナ対策をこちらの動画でチェック!
目的から逆算する、サロンでのコロナ対策
実際に前田さんがどんな衛生管理を取りながらサロンワークをしているのか。前田さんのサロンワークに密着しました。
Koichi Sawada(KARAFT):写真
まず重要なことは、新型コロナウイルス対策の“ノウハウ”を追うのではなく、目的を見失わずに考え続けること。なぜなら、新型コロナウイルス対策は正解が決まっているものではなく、各サロンによって最適解が違うからだと前田さんは話してくれました。
のりこ美容室の場合、対策をする目的は「サロンから感染者を出さない」ために「サロンにウイルスを持ち込ませない」こと。何のためにやっているかを出発点にすれば、抜け・漏れなく自身のサロンにあった対策が浮かび上がります。
お客の状況を確認する
次の日の予約客に電話をかける
のりこ美容室は時間提供予約制(詳しくはBOB8月号P46を参照)。主にお客さまの状況を確認する目的で来店前日に電話をかけている。体調や最近の行動について把握し、徹底した対策を取っていることを説明しているそう。それができるのも、普段から信頼関係づくりがあってこそ。
新規客はとらない
普段から紹介制であるものの、現在顧客を守るために行動範囲などを把握しきれない新規客は一切取っていない!
ウイルスをサロン内に入れない
サロンの外で消毒を!
お客さまが来店したら、スタッフがドアを開けてサロンの外で消毒をし、ドアノブも触れさせない。
・エタノールによる手指消毒はもちろん
・次亜塩素酸水で衣服や靴の裏を消毒
・次亜塩素酸水で付けていたマスクの裏側まで消毒
・配送業者にもあらかじめ連絡して、サロン内に入る前に荷物の消毒
手指消毒は5秒間合掌&靴の裏まで消毒
手指消毒はエタノールを手の表裏に噴霧した後5秒間合掌した状態で置き、ウイルスを不活性化。その後全体にすりこむ、という方法を取っている。靴底からウイルスが検出され感染拡大につながる例もあるので、靴の裏まで消毒。
手指・頭髪の消毒を徹底
手についたウイルス・雑菌がたくさんついているスマートフォンはエタノールで消毒。その手も再消毒。
シャンプー台に案内するまでの間しっかり観察して、お客が顔や手を触ったらすぐに手指消毒。
シャンプー中はもちろん会話NG。お客にはプラスチック製のシールドを付けてもらい、飛沫対策は万全。
スマホ消毒後、即シャンプーでウイルスを手につけない
入店後、まずはスマートフォンを消毒する。その後、カウンセリングなどの前にまずシャンプーで髪に付着したウイルスを洗い流す。無意識に頭や髪を触っていないか、注意して観察します。
飛沫感染、接触感染を避ける
オゾンを噴霧
殺菌、脱臭、消毒効果が謳われているオゾン発生器を常時設置し、噴霧。空気中はもちろん、壁、天井、床を含めた空間除菌を徹底。
対面を避け、口元をガード
新型コロナウイルスの主な感染経路は飛沫感染と接触感染だといわれている。前田さんは口元をガードするシールドを着用。施術中、対面になることは少ないが前髪を切る際は会話しない。
アンケートはNG!
紙やペンがウイルスの媒介物になる可能性があるため。紙によるアンケートは行わない。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が広がった一因として、紙カルテへのウイルスの付着も指摘されている。
触れた物は絶対に消毒
現金まで消毒
現金はたくさんの人に接触している。受け取ったらレジにしまう前に、次亜塩素酸水で消毒する。お客の前で行うことで、より安心してもらえる。
シザーズはエタノール消毒
使用する道具はサロンワーク中、金属のバットに並べて置いている。1人のお客に使用したらその都度エタノールで消毒を徹底している。
クロスはしたたるほど消毒
クロスは1人に使用したら必ず屋外で消毒。この時、消毒液を水が滴るほど噴霧している。水滴に対してウイルスの大きさは段違いに小さいため、水滴が浮かぶ程度の噴霧量では消毒しきれない。
のりこ美容室の「密にならないオペレーション」はBOB8月号で
この記事内にも出てきた「時間提供予約制」がカギをにぎる、のりこ美容室の密にならないオペレーションはお客と美容師がWIN-WINになれる考え方。元々のりこ美容室で実施していたものだが、今回の新型コロナウイルスでは功を奏している。
さらに、空気が抜ける空間づくりについて、withコロナ時代の美容師自身のプライベートの過ごし方について、お客さまとの関係性の強化方法についても取材しています。
前田秀雄[のりこ美容室/京都・京都市]
まえだひでお/1965年京都府生まれ。京都理容美容専修学校卒業。母の美容室を継ぎ、現在のりこ美容室代表。毛髪診断士および毛髪協会認定講師の資格を95年に取得。毛髪化学に基づく提案で店販購買率は95%。著書に『ちっちゃい美容室のでっかい革命』『美容師のケミ会話』(小社刊)がある。
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