月刊BOBの姉妹誌、サロン経営者向けの「NEXT LEADER」編集長のもとには全国のオーナーさんから意見や取材要望が寄せられます。新型コロナウイルスの影響で気になる資金繰りのことを、皆さんの声をもとに「結局何をすべきか」だけまとめました。専門家に監修していただいています！
本日はまず休業対策について5項目でまとめ、明日は「1日でも早く資金を手にする」ための資金繰りを5項目でお伝えします！
被雇用者であるスタイリストさんにとっても、知っておくことで自分や自分のサロンを守れる情報だと思います。5項目1500字！秒で読み終わりますのでぜひ下まで見てみてください。
中嶋有美（なかしま税務労務事務所）：監修
サロンを休業するときに結局やるべきこと５
項目１）休業したい場合は労使協定でスタッフとの取り決めをつくる
正規雇用サロンの場合は、スタッフに「休業手当」を支払い、休業してもらう形となる。休業時の給与は60％以上の支払義務があり、事前にスタッフとの取り決め（労使協定）が必要となる。
休業形態、期間、手当を決める
- 形態……完全休業、スタッフだけ全員休業、一部スタッフだけ休業、交代で休業など
- 期間……いつから休業し、いつから通常営業に戻すかなど
- 手当……通常の給与を支払う、最低限必要な60％を支払う、最初の1カ月は通常給与、その後は検討するなど
決まったら労使協定書を作成し、従業員代表にサインをもらう
※事前に従業員に従業員代表者を決めてもらい、「選任届」を提出してもらう
項目２）助成金を申請する
真っ先に考えたいのが「雇用調整助成金」。新型コロナの特例が以下のように拡充されている。また、休業中に訓練（インターネットでの受講も可）すれば、中小企業で2,400円が加算される。金額の算出方法は項目３で。
新型コロナの影響で「雇用調整助成金」の特例が拡充
（緊急対応期間：2020年4月1日～6月30日）
売上要件……「計画届」を提出する前月と前年同月と比較して5％以上の売り上げダウン
休業規模要件……延べ日数2.5％の休業
スタッフ数2名で勤務日数が20日の場合、2人×20日＝40日 40日×2.5％＝1日。1日以上の休業があれば申請対象になる
助成率……4/5 解雇などがない場合は9/10
教育訓練実施時の加算 中小企業2,400円、大企業1,800円
支給限度日数……1年間で100日とは別枠で申請可能
項目３）雇用調整助成金でいくらもらえるか。雇調金の金額を計算
気になるのが「雇用調整助成金」の申請で受け取れる額。以下に例を挙げたので自社のケースを当てはめてみてほしい。「会社が負担した休業手当の9割」ではないので注意が必要。
・1日の助成金の額（上限8,330円）＝前年平均賃金×助成率×休業手当の支払い率
・受け取れる助成金の額＝1日の助成金の額（上限8,330円）×実際に休ませた延べ日数
例）
前年度の総支払賃金：600万円（月収25万円×12カ月×2人）
スタッフ数：2人
年間労働日数：260日
休業手当の支払い率 70％
2人が1カ月（出勤日数21日）休業
計算すると
600万円÷260日×2人（延べ労働日数520日）＝11,538円（1日の平均賃金）
11,538円×9/10（解雇などがない場合）×70％＝7,269円
7,269円<8,330円（上限金額）→1日の助成金の額 7,269円
7,269円×21日×2人＝305,298円→助成金の額
※ちなみに経営者が休業手当として支払う金額
25万円×70％×2名＝350,000円
項目４）交代で休ませる、アシスタントだけ休ませる場合も雇調金を利用
「雇用調整助成金」ではスタイリストに出勤してもらい、アシスタントだけ休業してもらうことも可能。項目１で解説したように、事前にスタッフとの取り決めが必要なので、十分な話し合いのうえで進めたい。
項目５）短縮営業でも雇調金を利用
「雇用調整助成金」では店全体で勤務時間を短くする「短時間休業」も対象となる。原則として全員の勤務時間短縮が必要で、予約状況を見て1人だけ早く帰らせるといったことはできない。
以上の情報は4月17日取材時点のものです。日々更新されますので、詳細は以下の問い合わせ先にご確認ください。
雇用調整助成金の問い合わせ先：最寄りのハローワーク及び労働局
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さらに、日本政策金融公庫の融資申請のポイントを紹介したyoutube動画も。こちら
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特集は「美容室のリスクマネジメント」。今回のコロナショックを
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