新型コロナウイルス情報毎日更新中!!(2021年1月5日より)知りたいこと・調べてほしいこと・あったらぜひお寄せください

【現地レポート】韓国のスタンダードな接触感染対策、銅フィルムとは

ウイルスの不活性化を早める銅シートは日本でもジワジワ話題になってきましたが、韓国では既にスタンダードのようです。

大規模なPCR検査など、日本とは違う方策で新型コロナウイルス対策を徹底し、一時的に日常を取り戻しつつある韓国ではどのような感染予防を行っているのか、日韓の美容師さんと交流を持っている月刊BOB韓国版の翻訳担当、米林智がレポート。日本からの疑問にもお答えします。

オンライン会議で日本の美容師に必ず聞かれるコロナ対策

韓国では体温測定と消毒を徹底

韓国でも新型コロナウイルス感染症が流行りだした1月末から感染予防を呼びかけるポスターを至る所で目にするようになり、手洗いはもちろん、マスク、消毒ジェル、消毒スプレーなどは日常生活に欠かせないものになりました。

地下鉄やバスなどの公共交通機関や飲食店などあらゆる生活動線に消毒ジェルが登場し、金融機関やオフィスビルなどの建物の入り口には非接触型体温測定器が設置されています。

ここ数カ月、日韓の美容師さんでコロナ対策情報を共有しています。3月には日本の美容師さん有志が大量のマスクを韓国サロンへ贈ってくれました。日本もマスク不足が深刻化していた時期でしたので、日本人の優しさに触れた韓国の美容師さんたちは本当に感激していました。

絵本にまで貼ってある、気になるフィルムは「銅」

今、日本の美容師さんとLINEでやり取りしていると決まって「そこに貼られているフィルムは何?」と聞かれます。エレベーターのボタン、自動ドアのタッチスイッチ、手すり、ドアノブ、スマホの液晶画面、絵本……。韓国で当たり前にやっている接触感染対策の1つが日本では珍しいようです。

 

エレベーターのフロアボタンにも
エレベーターのホールボタンにも
銀行入り口ドアの取っ手にも

 

(実は私が初めてこのフィルムをエレベーターで見たとき、ボタンの数字がぼやけて見えて「あれ?!視力が落ちたかな…」と錯覚しました。よくよく見るとボタンにフィルムが貼られていて、目が悪くなったわけじゃなくて安心しました)

銅は、殺菌性が初めて承認された金属材

銅に殺菌効果があることはご存じですか? 韓国では抗菌銅(Cu+)成分が含まれた半透明の抗菌銅フィルムを不特定多数の人の手が触れる箇所に張りコロナウイルス感染を予防しています。

(ボブログ編集部注:銅イオンの微量金属作用に殺菌効果がある。新型コロナウイルスに対する殺菌効果の実証は現状行われていないが、ものの表面に付着した新型コロナウイルスがプラスチックで2-3日、紙で24時間生き続けるのに対し、銅の表面では4時間という実験がある。参考:日本銅センター石田雅彦氏によるまとめ。いずれも5月28日閲覧)

抗菌銅フィルムの特徴は
①殺菌効果が優れている
②破損しない限り、半永久的に使用可能
③リサイクル可能な環境にやさしい素材
などが挙げられます。

バクテリアやウイルスは、金属やプラスチックなどの硬い表面でより長く生存すると言われていますので、銅はコロナ予防の特効薬なのかもしれません。

一般社団法人 日本銅センターによると、銅はアメリカ環境保護庁で殺菌性を承認した初めての金属材料で、O-157、インフルエンザ、ノロなどのウイルスに対しても効果を発揮する事実が確認されており、世界的にも感染抑制に銅を活用する取り組みが進められているとのことです。

ロール売りをテープで固定

韓国のショッピングサイトより

銅フィルム、銅シートはロール売りされているのが一般的です。購入したフィルムを必要な大きさに切ってビニールテープで固定するタイプと、粘着タイプとがあります。
価格は、40㎝×10m(+抗菌フィルムシール30枚付き)税込み20,000~26,100ウォンと、2万ウォン台(日本円では2,000円代)が平均的ですが、中には125,000ウォンする高額なものもあります。絵本などに張り付けられるA4サイズ(1枚5,500ウォン=約550円)もあります。
銅フィルムや銅シートはとても手軽に使用できますので、瞬く間に韓国国内に広がりました。今後、日本でも銅フィルムが一般化するかもしれませんね。

感染者数が70人に。第2波に備えたい

実は、一時は収束したかに思われた韓国コロナですが、第二波の到来が確実視されています。ここのところ10~20人台だった国内感染者数は70人を超えました。(5月28日)。幼稚園や小学校の正式な再開も延期になり、一気に緊張感が高まっています。

日本も緊急事態宣言が解除され、街に人が増えたと聞きます。やはり油断は禁物です。これからも地道にウイルス対策を行う努力が続くでしょう。隣国の同志として、情報や知恵を共有しながらみんなで感染対策を徹底し、感染予防をしていきましょう!

 

緊急取材カテゴリの最新記事