5月6日に世界に先駆けて外出自粛を解いた韓国。
12日に再び集団感染が起きたことがニュースになってはいますが、当初世界2位の感染者数だったところを一度抑え込んだのは確かです。
積極的な休業要請やロックダウンを行わなかったため、美容室も多くは営業し、感染者も出なかったそうです。
韓国・カロスキルにあるMARUNI HAIRのTOMOさんに、韓国の状況や行っていた感染対策を聞きました。
写真はすべてTOMOさん提供
こちらの記事は5月7日取材時点の情報です。5月23日、感染経路の追跡などについて正しい情報を追記しました。
韓国の新型コロナウイルス状況
感染源は大規模イベント
2月16日に宗教団体（新天地）の大邱市支部での1000人規模での礼拝で感染拡大
2月25日に文大統領は大邱・慶尚北道地域に封鎖政策を指示
3月1日には新天地関連だけで2,000人以上の感染者。3月上旬までは感染者数が中国に次ぐ2位
3月中旬にも複数の宗教団体で集団感染が発生。ソウルでも電話会社でクラスターが発生した。
「ドライブスルー方式」で大量検査を実施し、3月中旬には感染者の増加がゆるやかに
4月15日には徹底的な防疫対策をして総選挙を実施
3段階の「社会的距離確保」期間で外出自粛
3月22日～4月19日 「強い社会的距離確保」の期間と定め、国民に対して外出自粛を求めた。社会的行動禁止の強制措置。
4月20日～5月5日 「社会的距離確保」の期間と定め、他者と2メートルの距離を保つことを求め、制限をかけた行動許可が出た。
5月6日 他者とは2歩の距離を取ることなどの「新しい生活様式」が発表され、行動制限が緩くなった（日本で一般的に「韓国は外出自粛が解除された」と言われている状態）
※社会的距離確保の期間においても国内旅行は禁止されておらず、現地での行動に配慮することが要請されていた
感染者が出るとSMSで警報＆個人情報公表
感染者がいた、近づいてはいけない場所がSMSで直接送られてくる。1日に10回以上の日も。
場所だけでなく、電子決済の履歴などを活用して移動経路が詳しく公表されてしまい、感染者が立ち寄った店も2週間の営業停止となる。
5/23追記：弊社の韓国支社からの、感染経路の追跡についての詳しい情報
韓国ではキャッシュレス化が進んでおりほとんど現金を使わない。日本に比べて国や市が感染者の感染経路、移動経路を調べやすいという前提がある。感染者が出ると基本的には聞き取り調査で経路を調べていくが、電子決済の履歴も使われるため隠せない。
移動経路も細かく公表されるので、近づかない、行かない、という個人の対策が可能。
(公表)
性別、生まれた年度、居住地域、感染経路、感染が確認された日にち、移動経路、治療を受けている病院
(非公表)
名前、職場等、上記以外の個人情報
SMSの例
MARUNI HAIRの営業状況
通常通りの営業で、スタッフも通常通り出勤。席はなるべく離していたが、隣になる場合もあった。
韓国内の他サロンでは、客足が大幅に減った場合にスタッフに無給休暇を取らせたり、一度辞職してもらって失業保険を受けさせたりしたところもあったとのこと。
対策はシンプルに、消毒、そして消毒
- スタッフもお客もマスクを着用
- 施術が終わるたびにセット面を消毒
- 受付、各セット面に消毒液を設置
- スタッフもお客も、店に出入りするときには毎回消毒
旅行者需要とミセス層に打撃。自粛中の営業は？
観光地であるカロスキルにあるMARUNI HAIRでは、国内外の旅行者のお客が多かったため全体の20%程度の客数減。また、重症化しやすい中～高齢者は危機感が特に強く、ミセスのお客はほとんど来なくなってしまった。
スタッフが通常通り出勤している中での客数減のため、空き時間も多くできた。その間には、スタッフ総出で内装・外装の大掃除や補修をしたり、インスタ用のコンテンツを作り溜めしておくなど、まとまった時間がないとやりにくいことを実行。
また、シャンプーの見直しやカラーの色出し、パーマ理論の学習なども行った。
感染拡大から自粛解除までを経て、TOMOさんが感じたこと
TOMO［MARUNI HAIR（マルニヘア）／韓国・カロスキル］
とも／1986年8月15日生まれ。沖縄県出身。大村美容ファッション専門学校卒業後、tiraventoに入社。遊人とtiraventoのオーナーの共同出資によって韓国に出店したMARUNI HAIRのオープニングに参加。韓国全土で技術セミナーを担当し、現地の美容専門誌やコンテスト審査でも活躍している。
↓TOMOさんの作品。受賞歴も日本・韓国ともに多数！
