都内に7サロン、社内の別ブランドとして3サロンを展開するapish。
4月7日から1週間の休業期間を経て、4月14日から営業を再開しました。
おそらく長い付き合いになるだろう新型コロナとの向き合い方、お客さまに支持されている対策などを、apishの別ブランドであるJENOの代表堀江さんに聞きました。
写真はすべて堀江さん提供
目次
動かして社員や会社を守る!営業再開の考え方
営業の状況
冒頭で述べたように、東京都の緊急事態宣言と同時に休業を開始。1週間の休業後、休業要請に理美容室が含まれないと判明した4月14日に営業再開を決めた。
公休を使ってうまくシフトを組むことで通常の半分のスタッフで、座席も半分は空けた状態で営業。
営業しているスタッフに対しては自粛が始まる前の給与を保証。また不安なスタッフには自宅待機も認めており、その場合は給与の6割を保証している。
営業したい・したくない、両方に対応
apishさんは休業も再開も早かった印象です。スタッフさんのモチベーションはどうなのでしょう?正直、休みたい人もいるのかなと。
BOB編集部
堀江さん
体を守るなら家から出ないのが一番安全ではあります。でも生活もキャリアプランもあるから、事業の継続がスタッフを守ることだと考えています。緊急事態宣言も延びましたし、「withコロナ」というか、付き合っていく段階ではないかと。一方で自宅待機も認めています。
柔軟な対応ですね!
BOB編集部
堀江さん
営業なら自粛前の給与を保証しているというのが大きいと思うのですが、自宅待機を選んだスタッフはあまりいません。
休業が早かったのもモチベーションに影響しますよね。
BOB編集部
堀江さん
お客様からも、休業が早かったという点で評価をいただいています。決断力は信頼につながりますよね。それにJENOとしては、休業中の自宅待機を徹底したことでスタッフが感染していないのは確認を取れているという認識です。
※WHOによれば、潜伏期間は5-6日と推測されている。なお、無症状病原体保持者からの感染例は「示唆」に留まり実際は不明。ウイルス感染症は一般的に症状が強い時期がうつしやすいとのこと参考:国立保健医療科学院
課題が見えた。感染対策と入客状況
評価の高い感染対策とは
あとはお客さま経由の感染対策ができればいい状態ですね。
BOB編集部
堀江さん
なので、必要なことはお客さまにもお願いしています。お願いが来店前に及ぶ部分もありますね。
apishの新型コロナ感染対策
お客様へのお願い
- 2週間以内の渡航歴や渡航歴のある人との接触の履歴、体調不安の方はキャンセルを依頼
- 自宅での検温、37°以上の場合はキャンセルを依頼
- 入店時・退店時の手指消毒
- 在店中の布手袋着用
- 施術中のマスク着用(汚れた場合の替えを用意)
スタッフ側
- 毎日の検温、37.2°以上は出勤停止
- 他店舗への移動やスタッフ交流もNG
- 営業中のマスク着用義務化
- 出勤スタッフの人数制限、席の間隔を開ける
- 受付、お手洗いへの消毒設置、店内の換気
- 椅子やドアといった手の触れる場所や、タオル・クロスの消毒を徹底
- レセプションは布手袋を着用し、会計時にも手が触れ合わないよう対応
- 入客ごとにスタッフの手洗い、うがい、手指消毒
- 施術道具(シザー、コーム、ブラシ等)の徹底消毒
堀江さん
空間の管理という観点で予約を管理するようになりましたね。
お客さまの反応はどうですか?
BOB編集部
堀江さん
やはりマスクで安心感を持ってもらえるようです。それから、お帰りの際に消毒をすすめると、お客さまを気遣いたい気持ちが伝わる感じがします。それと、布手袋をしてもらうのは評判がいいです!
確かに、これがあるとだいぶ気が楽ですよね。
BOB編集部
堀江さん
喜んでいただけますし、この手袋自体を気に入ってくださる方もいますね。
入客状況と、これからのお客さま対応
これまで築いたエンゲージメントが表れる
正直、堀江さん的には再開してみてどうですか?
BOB編集部
堀江さん
やれることは徹底してやっているし、気持ちの面でも、お店一同「大丈夫」と思えています。ただやはり、入客は通常の半分以下のスタッフが多いですね。固定客がどれくらいいるのか、どれだけお客さまとのエンゲージメントを築けているのかにかなり左右されています。この人じゃないとダメ、と思ってもらえていないと。
移動を避けたい状況だから、地域密着型でないデザインサロンだったり、JENOがある表参道のような繁華街エリアでは特に表れそうですね。
BOB編集部
堀江さん
そんな中でちょっとほっこりしたのが、メンズのお客さまは比較的いつも通り来てくださることです。メンズ客のありがたさをみんなで実感しています。
メンズは浮気しないって言いますもんね。
BOB編集部
緊急事態下のカットに求められること
堀江さん
ショートレングスの方も来てくれますね。次回来店を遅らせるために、いつもより短くする方が多いです。それから長持ちを求められます。
家から出ることがリスクの時代ですからね。。それと、人との接触も気になりますよね。
BOB編集部
堀江さん
ですね。オペレーションは変更ないのですが、接触は減らせるように気を使っています。それから滞在時間を短くすることで感染リスクを減らしたいので、スピードカット!レザーを多用するようになりました。
早さとスタイルの長持ち度。どっちも、お客さまをいかに把握しているかが問われますね。
BOB編集部
堀江さん
だから、エンゲージメントに戻るんですが、密な対応がより大事になるなと思っていて。技術がより求められる一方、滞在時間は短くしたい。その中で提案できることって店販だったり、パーソナルなことなんですよね。
withコロナ時代の美容室
堀江さんが思う、withコロナ時代に必要なこと
堀江さん
特効薬が出ない限り、この状況は長く続くのかなと考えていて。きっと人数制限も続くし、アシスタントを使えない状況が続けば、アシスタント自身も売り上げを作る必要がある。それに、仮に収束しても一度変わった意識は戻らないですよね。お客さまの作り方が変わってくると思うんですよ。
既に現状でも、これまで以上にパーソナルなつながりが必要な局面になっていますね。
BOB編集部
堀江さん
結局人間力や技術力、センスに戻ってくるなあと感じています。必要なのは、お客さまにどれだけ向き合えるか。本気で美容のことを考えている人しか生き残れないと思います
apishの新しい取り組み……クラファンとデリバリー
髪質を把握できている顧客向けのサービスとして、5月3日から「apish Delivery and Take Out」を受付開始。
公式サイトの相談フォームから連絡を取り、zoomやLINEで担当スタイリストと直接カウンセリング。
カラーシャンプーやヘアケア、スタイリング剤が届き、セット方法もカメラを使ったオンラインミーティングで指導してもらえる。
また、スタッフからの提案でクラウドファンディングも展開予定。
堀江さん
こうしたオンラインカウンセリングのサービスもそうなのですが、この期間にひとりひとりに向けてコミュニケーションを取ることが大事。信頼感って会わなくても作れると思います!
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