【withコロナ時代の美容室を考えるBOBインスタライブ】ゲスト：エザキヨシタカ［grico］トーク内容まとめ

はい、原宿界隈は人が怖いくらいいないかったけど、営業のスタンスは崩しませんでした。お客さまからの要請もあったし（顧客は近隣の住民も多い）、スタッフも近隣に住んでいるので電車に乗らない。密状態をつくらないで、予約をずらして対応しました。もちろん、マスク着用で。

gricoは昨年から次回予約を徹底していて、ぼくの顧客は9割近くが次回予約してくださるんです。他のスタッフも次回予約が入っていますから、お電話して。

信頼関係があれば、そっちのほうがいいんですよ。むしろちゃんと話せて、サロンのコロナ対策も説明できるし、相手の感じも伺えますしね。その際に、雑誌や飲み物は安全面に配慮して今は出せないことなども伝えてます。場合によっては予約スケジュールを先に変更して。来るにあたって不安を取り除くのが目的ですから。もちろん電話対応の仕方はしっかりとサロン全体で共有しています。

正確には6年間やってこなかったんだけど、まわりの有名店がやり始めて、若手スタッフから要請があって始めました。でも、それで本当に集客しているのか、それともgricoの名前で来てくれているのか、もやもやしてて。結局、集客サイトってお客を回遊させるシステムだから、定着しにくいんですよね。お客さまはホットペッパーという“いけす”の中で泳がされているいるだけだから、gricoの”いけす”にはいってもらいたいと思って、次回予約をはじめたんです。ほんとうにタイミングがよかった。アフターコロナの時代、次回予約は必須になりますね。

ところが、サロンの雰囲気はめちゃくちゃいいんです、最高に。なんでだろう？　制限された人数の中で営業しているから、時間に追われていないのもあるけど……一番の理由は、こういう中でもお客さまが来てくださって、「ああ、本当に必要としてくれているんだな」って、思えるからですね。ありがたさが身に染みるというか、何度も感動する場面があって。

自粛ムードが強かったタイミング（3月）に同業の方たちが、わざわざ遠方から髪を切りに来てくれて、心配だったんでしょうね。新潟や神奈川、神戸から、自分で車を運転して。美容師で同じ思いを共有しているんだと思った。人とのつながりを感じさせてもらい、改めて美容師の仕事の価値を感じています。

来てくださったお客さまに対して、ポジティブな気づきは必ず伝えています。おうち時間が長くなって、パックしたり自分磨きする人も多い。自粛でずっと家にいて、そこに気づいてもらったら絶対うれしいはず！　

そうですね、変えるというよりは意外とコロナでやってきたことは続けてもいいかなと。サロンの消毒とかは当面続けるつもりですし、マスクして施術するのも継続していいと思ってる。そもそも、メンズの刈り上げのときに毛が跳ねるから、吸い込んじゃうんですよね。

出勤するのがこわいと思う人もいるし、失客したくないから営業したい、と思う人もいる。役割や立場によっても判断が異なるでしょう。経験値や感覚がそれぞれ違いますから。ただ１つだけ言いたいのは、経営者はスタッフを守るために判断を下しているはず。何か不安や不満があるときは、寄り添いながら、率直に話してみたほうがいいと思います。お客さまのためにも、自分たちの働く場所を守るためにも、お互いに寄り添うことが必要なんじゃないでしょうか。