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コロナ禍の中、営業継続を決めた名古屋のサロンの現場の声と経営者の判断

※「地方 コロナ」で情報を求めて当サイトに来てくださる方がいるため、全国に先駆けて緊急事態が宣言された首都圏以外をあえて地方と書かせていただきます

営業継続。休業。再開。

緊急事態宣言により美容室が休業要請の対象とならないことが判明し、さまざまな判断が生まれていますが、置かれた立場それぞれの正しさがあります。

東京では4月8日頃から、今回取材したASCHのある名古屋ではその数日後から休業する美容室が増えました。さらに現段階では、緊急事態宣言を受けて再開するサロンが増えています。

現場の美容師さんには、「うちのサロンは休まなくて大丈夫?」「営業しなくて大丈夫?」「再開したけどいいの?」「何がいいのかわからない」不安があると思います。

今回は「営業継続」を選んだ、地方のサロンの経営者の考え方とスタッフの声を取材しました。

(写真はすべてASCH提供)

お店の決定に不安を感じたときに読んでほしいASCHスタッフの声

愛知県名古屋市に4店舗(檀渓通店・滝の水店・名駅店・八事店)を構える美容室ASCH。

スタイリスト全員に個別アンケートを取った上で、休業はせずに週休4日制(シフトを調整し4月20日まで週休3日、4月21日より週休4日も導入)を選んだそう。

感染が怖いと思うスタッフや子育て中の母親などは本人の意志で自宅待機も選択できますが、緊急事態宣言の発令後も希望者は出ていません。

そんなASCHから、今回は、経営者の考え方と現場にズレが生じたときに読んでほしい、「社長目線」と「スタッフ目線」双方の声をお届けします。

お客様の立場に立って――現場のスタイリストの声

先頭が片岡さん、後ろから2番目が代表

檀渓通店のトップスタイリスト兼トップネイリスト、片岡あかね(32歳)さんに聞きました。

お客様に目を向けて、営業すべきと感じた

正直に言うと、宣言前に東京でお客さまが激減しているという情報を聞いて、営業を続けるのは正しくないと思っていました。でも、代表の判断が正しいと思えるようになったのは、お客様に目を向けたから。

いつも来てくれているお客さまは『美容院=ASCH』であって、他の選択肢がない人も多いです。お客さまのASCHへの想いを感じて、それに応えて働くことに意義があると思ったんです。

ASCHの対策を信じて来てくれる人に出会えた

緊急事態宣言後は休業を選ぶサロンが多く、「まだ働くの?」という意見をほかの美容室からもらうこともありましたが、私は代表の判断を信じました。

それが間違っていないと思えたのは、『やっぱりASCHはちゃんと対策しているから信用できる』と言ってくださるお客様がいたから!
私たちのコロナウィルス対策を信じ来てくださる方がたくさんいるんです。

友人の中には、働けなくなって収入が得られず先行きに不安を感じている人も多いです。この状況で美容師の仕事を続けられることが有り難いですね。

片岡さんが腹をくくれた理由は、この状況がもたらしたスタッフ間のコミュニケーション増

片岡さん
片岡さん
私のお客さまはキャンセルが少なく、みなさん来続けてくれているので理由を聞いたら、『片岡さんって、体が丈夫そうだから』って(笑)。ウィルスも逃げそうなキャラでよかったと思いました

ウイルスも逃げそうなキャラクターを自認する片岡さんは、来てくださるお客さまに全力で応えるため、これまで以上に除菌を徹底し、免疫力を下げない生活を心掛けていることを一番に話してくれました。彼女が腹をくくれた理由に、オンライン教育の開始がありました。

すでに閉業する美容室の話も聞こえてきて怖さもありますね。私は休業しすぎるとお客さまがお店に来なくなってしまうと考えているので、国からの休業要請が出るまではお店を開けるという方針に賛同しています。

サロンの雰囲気はお客さまにも影響しますので、『今、働けるってありがたいよね』という明るい雰囲気を後輩たちと一緒に作っています。

今回の事態は、美容室が淘汰される状況を生み、生き延びる美容師と辞めていく人に分かれるのかもしれません。だからこそ、このような状況でも生き残れるように、お客さまがいらっしゃらない時間は練習で技術の向上に取り組んでいます。

全店のスタッフが集合しての合同練習、各店での練習やミーティングなど感染拡大につながりやすいものはすべて廃止。動画を撮って、店舗間で質問し合えるようなオンライン教育も取り入れ始めました

練習に取り組む後輩たちの“上手になりたい”という貪欲さを感じて、今まであまりちゃんと見てあげられていなかったな。と反省しました。

片岡さん
片岡さん
スタッフ同士も今までよりもコミュニケーションを取れているので、このまま団結力を高めていきたい!お客さまや後輩がいる限り、自分はやりきります!

「やっぱりASCHはちゃんとしてる」。2月末からの対策

いち早く2月末からこの項目の①~⑨を行っていたこともASCHの対策が信頼される理由ではないでしょうか。

後に⑩〜⑬も加筆しお客さまに知らせています。

“行きたいときに開いているASCH”だからお客も美容師も安心できる。大林代表の判断

ASCHの大林代表とスタッフ

「休み過ぎると来てもらえなくなる」と片岡さんも考えていたように、ASCHの大林博之代表も「行きたいときに開いているASCH」を意識していました。スタッフやお客さまの信頼をつないだ大林代表に詳しく聞きました。

大林博之代表
大林博之代表
手助けしあえるチームであることが今は一番大事だと思っています

キャンセルは増えたけれど、紹介も増えた

休業や自宅待機、するしないのどっちが良いとか悪いとかではありません。働きたいと思うスタッフは会社を手助けしてほしい。子供のためになると判断して自宅待機を選択したスタッフには、会社が手助けします。

4月10日に愛知県が独自に発令した緊急事態宣言後、キャンセルはやはり増えました。

自分の顧客で客数約50%減、店全体で約60%減。サロンの売上高でいうと50%減の状況です。

もちろん、今後は国の方針を踏まえて検討していきますので、休業する可能性もゼロではありません

売り上げが半減して、生産性が30万円を下回り、営業しても赤字ということもあり得ます。

けれども、緊急事態宣言の発令後『ASCHだったら安心』と言ってご家族を紹介してくださるお客さまもいます。

こういう状況でも頼りにしてくれている事実を知るとお客さまが“行きたいときに開いているASCH”でいたいと思います。お店がなければチームもバラバラになってしまいますから。

 

さまざまなエリア、客層、環境の中で、この困難を1つひとつ乗り越えながら戦っているすべての美容室に、それぞれの判断があります。

情報や他サロンの意見に惑わされない判断が必要なときなのではないでしょうか。

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