次世代が受け継ぐ日本のものづくり【革製品メーカーwajiインタビュー・後編】

伝統文化から、新たな価値が生まれる

職人による「日本のものづくり」を追求し、シザーケースやエプロン、カバンなどを製造・販売するwaji。大阪にある古民家を改築した工房におじゃまして、そのこだわりを伺ってきました。

前編はこちらをご覧ください。

 

使えば使うほど、体にフィットする

wajiのシザーケース開発において、欠かせない人物がいる。それが大阪の美容室side-burns.の臼井裕人さんだ。

彼こそが、菅野代表に初めてシザーケースをオーダーした張本人。もともと菅野代表がお客として通っていた担当美容師その人だ。

美容室side-burns.の臼井裕人さん

 

臼井さんの要望を受けた菅野さんはさっそく試作品を製作。実際に臼井さんにサロンワークで試してもらい、使いづらい点や欲しい機能について何度も意見を出してもらった。

そして試行錯誤を繰り返すこと丸2年。ついにwaji渾身のシザーケースができあがった。

臼井さんは、このシザーケースの使い心地についてこう語る。

「道具の出し入れがスムーズなこと、時が経つごとに革が体にフィットするところが気に入っています。素材が良いから永く使え、愛着が湧きますね」

美容師の意見から生まれ、美容師のお墨付きを得たシザーケースは、使えば使うほど成長していく。これは新品と2年後を比べてみると一目瞭然だ。

この風合いの変化こそ、wajiの革製品が愛される理由なのだ。

左:新品のシザーケース 右:2年使用したシザーケース

 

伝統と最新技術の融合で進化していく

wajiには現在菅野代表のほかに、フリーランス含め7名の職人、物流、営業担当が在籍し、年代はみな20~30代。

高齢化が進み、大量生産による低価格競争の激化で衰退する、職人による日本のものづくりを変えたい! という野心あふれるメンバーが揃う。

 

「シザーケースのブランド名『aruci』の由来は、アルチザン=職人。

“職人による職人の為のものづくり”をコンセプトに、職人の働きやすさも追求しています。会社とは別に自分のブランドを持つ人がいたり、平均年齢が若いので意見が通りやすかったり。日本でつくれば何でもMade in Japanになってしまうけれど、職人のプライドをかけたものづくりをしたい。

いずれはこの文化を海外に発信するため、工房ではBGMとして英語を流して、耳からの学習をしています(笑)」

工房の2階には常時3~4名の職人が勤務し、製品づくりを行っている。

 

伝統を受け継ぎ、新たなものを生み出すwajiは、新旧問わずインプットを欠かさない。

 

「昔から受け継がれてきた技術には学びがあります。

良いものには理由があるはず、と使えなくなったブランド品を買ってきてみんなで解体して、その秘密を研究することも。

逆に現在のテクノロジーも重要。例えばうちで出しているエプロンは革をあしらっているのですが、洗濯機で丸洗い可能。染料を変えたウォッシャブルレザーというのを使っています。

今は着るタイプのシザーケース、『シザーベスト』をつくろうと考えていて。

他にも行政と組んで、最新技術とカバンづくりを組み合わせたプロジェクトも進めています。新たな挑戦を続けながら、本物の職人に愛される、本物の道具をこれからもつくっていきたいですね」

シザーケースのほかにも、カバンや財布、iPhoneケースなどさまざまな製品がラインナップ。

 

日本の職人が長年かけて磨き上げてきた技術、そしてそれを受け継ぐ若き文化の担い手の熱い想いが詰まった革製品。

使い込むほどに自分になじんでいく「本物の道具」は、これからも多くの美容師の相棒となっていくはずだ。

 

aruci HPはこちら

こちらの記事は、5月1日発行の月刊BOB6月号の記事を一部改変の上転載したものです。

●aruciの製品展示会が東京で開催されます

・日程:2020年6月1日(月)〜6月3日(水)予定 ※営業時間はwaji公式HPをご確認ください

・場所:裏参道ガーデン 

東京都渋谷区神宮前4−15−2

 

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