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創業6年目で6店舗! 激戦区・表参道で急成長できる理由 /中村飛鳥(Gallica代表)

表参道エリアを主戦場にしてきたサロンの郊外出店が増える中、同エリアで急成長をつづけるサロンがあります。

Gallicaは、2014年の創業から6年で6店舗(1店舗は錦糸町)を展開。1年に1店舗というわけではなく、2018年1月に2店舗目を出店し、それから2年半で表参道エリア内で5店舗を出店これがどれだけすごいことか、わかる人にはわかるでしょう。

しかも低価格サロンではなく、コンセプトを同じくした高付加価値サロンとしてーー。創業から10倍の成長率で突き進むGallicaの中村飛鳥代表にサロン激戦地で急成長できる理由を聞いてきました!!

10年で10店舗が目標

店舗展開はどのような考えで進めているのですか?

「まず10年で10店舗出すという目標があります。そのくらい出店しないと経営効率が上がりませんし、産休・育休のスタッフが出たときに対応しにくいというのもあります。あとはスタッフの成長ですね。新卒採用が増えて成長していくと、店舗を増やしていかないと活躍の場がなくなりますから。おかげさまでスタッフの成長に合わせてお客さまも順調に増えています」

新卒と中途の割合はどのくらいですか?

「今は中途が半分以上いますが、新卒を徐々に増やしています。そちらの方が人間関係も教育もスムーズなので。今年は9名採用し、来年もすでに9名の採用が決まっています」

出店エリアは表参道エリアにこだわっているのですか?

「基本的に歩いていける距離内で出しています。近いとスタッフ間の移動もしやすいですから。美容室は人件費が最もかかる経費なので、その流動性と効率を高めていくのが重要です。あとは集合教育がしやすいのも距離が近いメリットですね」

表参道で子育てしながら働く難しさ

1店舗、錦糸町に出店したのはどういう経緯からですか?

「後輩が表参道で子育てしながら美容師をしていたのですが、働きにくい状況を相談されていて、自宅に近い錦糸町に出店するから一緒にやろうよと声をかけたのがきっかけです。表参道のサロンで子育てしながら働くって環境的にすごく難しいんですよ。自宅が遠いと通勤に時間がかかるうえに子供の急な熱とかに対応できない。30分以内の場所に住むとしても家族3~4人だとある程度の広さも必要。こういうことって実際に子育てしている人じゃないとわからないから、すごく勉強しましたね。錦糸町は1年半前に出店したのですが、売り上げはめちゃくちゃ伸びてます」

店舗が増えていくとスタッフ管理が難しくなりませんか?

「僕は10店舗つくると決めた時点で、自分がすべて直接管理しようとは思っていません。10店舗でも100店舗でもできる全国展開用のシステムで1店舗目からやろうと思って、どこに出しても当たるコンセプト、ブランディング、スタイル、教育など細かく決めています。たとえば派手なカラーでブランディングしてしまったら、10年後もやっていけるかどうかなんてわかりませんよね。だから、10年後も当たるようなコンセプトでブランディングしているんです。

トリートメントをすすめない美容室

具体的にはどういうコンセプトですか?

「詳しくはホームページ(https://www.hair-salon-gallica.com)に書いているので説明しきれないのですが、「ダメージレスなケアカット」「トリートメントをすすめない」などがあります。僕もこれまでさまざまな技術を勉強してきましたし、特にカットには自信があります。だから他店がうちのコンセプトを真似しようと思っても、技術的に難しいでしょうし、トリートメントをすすめなかったら思いっきり単価が下がりますよ(笑)。また、たとえ真似できたとしてもお店全体で統一していないとブランディングにはなりません。お店のコンセプトやストーリーがあってこその1つの技術ということを理解していないと難しいでしょうね」

今後はどのような展開を考えているのですか?

「第一段階はこのエリアでしっかりと基盤をつくってスタッフを育てる。第二段階は錦糸町のような郊外や地方への展開ですね。そして第三段階は、、秘密です(笑)。ただ、第三段階までいけば1年で10店舗とか出せると思うのですが、その際に一番難しいのは採用なんです。美容室経営って最初は資金がなくて、それから集客、採用という感じなんですが、会社が成長するとその順番が逆になってきますね。新卒だけじゃ足りないので、新卒と中途を組み合わせたやり方が必要になってくると思います」

将来的には上場など考えているのですか?

「上場は考えていません。僕は何よりもスタッフの給料を多くしたいんです。こないだ決算終わったばかりですが、給与還元率50%いってますからね。それでいて集客にお金をかけていて、アシスタントを使えて、材料管理もしなくていいとなればスタッフは働きやすいはず。だから実際に辞めないですね」

美容師の人生を豊かにするために

スタッフに向けてで言えば「未来設定ワークシート」なるものがあるそうですが?

「スタッフに人生の目的や夢を考えてもらうための6枚の書き込み式シートなのですが、これは創業当時から全員に取り組んでもらっています。「関わるみんなに幸せになってほしいと」いう思いが根底にあり、実は僕は前の店でもその前の店でも体調を崩しているんですね。当時は10kg近くやせたし、精神科の病院に行ったこともあります。本当に体調面だけでなく精神面も混乱して何も考えられなくなってしまいました。それっていくら売り上げがあったとしても人生豊かじゃないじゃないですか? だから健康という土台を大切にしたうえで、仕事もプライベートも充実させてほしい。そうすればお金は勝手についてくるからとスタッフには伝えています」

中村さんにそんな過去があったとは知りませんでした。最後に若い美容師さんに向けてメッセージをお願いします!

美容師が幸せになれる仕組みで発展したいというのが僕の思いです。低単価でやっている美容師さんってどうしてもリスペクトされないんですよね。あの客数を回すって実はすごいことなのに感謝されにくい。やはり自分の技術に自信を持てて、数に追われない仕事ができた方がスタッフも誇りを持てるし、お客さまも幸せになれます。こうした人材をきちんと育てるには時間がかかりますが、みんなが幸せになることが経営理念なのでやっていかなければいけません。これからも創業時の思いと仕組みをブラさずにさらに会社を成長していきたいと考えています」

なかむらあすか/1987年11月15日、長崎県生まれ。ハリウッドワールド美容専門学校卒業後、都内2店舗を経て、27歳でGallicaをオープン。現在スタッフ数は41名。表参道エリアを中心に驚異的なスピードで出店をつづけている。

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