クリエイティブな発想力を着けるスキルを磨く

Japan Beauty Labはニューヨークを拠点に活動する美容師・成川詠子さんと『VOGUE』をはじめとする世界中のファッション誌、ファッションショー、企業広告、レッドカーペットなどでメイクを担当する本田忠義さんで結成されたチーム。

その中心人物の1人、成川詠子さんはかつてヘアカラー協会が設立された当初、主力講師として日本で活躍されていました。

(月刊BOB2015年１月号でも取材)

その後2005年にニューヨークに渡り、アメリカのセレブ御用達の超有名美容サロン　Warren Tricomi（ウォーレン・トリコミ）に入社。サロンワーク以外にもニューヨークコレクションのヘアや、ファッション誌の撮影などで活躍しています。

日本から、世界へ。そしてサロンワークから、クリエイティブワークへ。

幅広い美容の仕事を経験した成川さんだからこそ、教えられること。

Japan Beauty Labの活動について、お話を伺いました。

トレンドが生まれて「下りて」くるまで

「感性がすべてと思っていた撮影や創作の仕事。それらはじつはとても論理的に構築されたものであり、流行のファッションやヘアは、歴史が大きく関係します」

ファストファッションによってリアルトレンドにタイムラグがなくなってきた影響もあるが、一番はインターネット上のsnsの急激な進歩によって情報の流れ方が変わったことが大きい、と成川さんは語る。

情報が流れるスピード変わったと同時にトレンドも多様化。90年代以前までのトレンドの作られ方と2000年を境にで大きく変わってきているという。

また、『ヴォーグ』などのファッション誌で活躍するメイクアップアーティストの本田忠義がトップクラスのフォトグラファーやヘアアーティストたちと仕事をするようになり、発想力は知識の積み重ねにあると知った。

(本田忠義の作品）

日本のヘアサロンは、技術のノウハウは精度が高く深いけれど、発想力をブラッシュアップできる教育体系はない――そこで、想像力を育成する教育プログラムづくりに着手した。

セミナーでは想像力ある人物の育成をテーマに行っており、自ら発送する力を育て、自信を持ったモノづくりができる。創造性や感性を養う、さまざまなプログラムがあります。

自分分析＆イメージ力アップ

現在は美容師さんたちのニーズに合わせて、以下の内容のセミナーを行っている（コロナのため現在は休止中）。

・感性の向上のサポート
A:　作りたい物を思い描くイメージ力と形にするスキル（技術）の関係を明確にし、自分はどんな美容師かを分析。何が自分に必要なのかをクリアにし、勉強する方向が見えるようになる内容。自己啓発的な内容も含まれるユニークなセミナー。

B　撮影のスキルアップ。目的と作品のテーマを意識した内容。テーマの導き方を学び、よりクオリティの高い作品づくりを目指す美容師たちに向けた内容。

・トレンドセミナー
最新ランウェイ情報をベースに「次に来るトレンド」を分析して紹介。お客様に落とし込むために必要なテクニックとプロダクト情報をいち早く届ける。トレンドを追う美容師ではなく、トレンドを作り出せる美容師になる。

・完コピセミナー
「形」を真似て「表現」を学ぶワークショップ。自分で選んだ「真似したい」作品を実際に形に起こす。できあがった物と作りたかった物を比較し、表現仕切れていなかった点を講師陣と一緒に突き止める。人の感性と技術を盗み、表現力の幅を広げるユニークな技術セミナー。

・撮影セミナー
”想像”から“創造”までの実践練習。国内外で活躍する講師陣から（スタイリスト、フォトグラファー含む）のアドバイスを受けながら、自分のスタイルをより洗練されたものへとグレードアップ。テーマづくりから、撮影まで深く掘り下げてサポートして完成度の高い作品づくりを目指します。思考、技術ともにセンスアップを図る他にない撮影セミナー。

・インスタセミナー　@japan_beauty_lab
見るだけで感性、表現力を養える内容。ものづくり、考え方のヒントに。

以上のセミナーに加え今後の活動として、美容を通した社会活動を地域の学生と美容師を交えた活動を企画しているという。

「アフターコロナの時代にはクリエイティブな発想力が不可欠になる。今までの常識が通用しない今、新しい発想力で、美容ビジネスもヘアスタイルも切り開かないといけません」

現在、コロナの影響によってセミナーは中止しているが（2020年９月28日現在）、2021年３月から順次開催していくという。日本での開催が待ち遠しい。