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音声配信アプリ「stand.fm」は、美容師の新たな武器となるか?

限られた時間という資源を自身の目標達成のために、いかに効率よく使うか。このタイムパフォーマンスの考え方は、コロナ禍により加速され、すでに多くの美容師さんの働き方や学び方の軸となっています。

今日紹介する、音声アプリ「stand.fm」(無料)は、InstagarmやYoutubeのように、美容師の集客方法や情報収集をより効率的に、大きく変える可能性があるアプリだと私は思います。

今年の3月より「stand.fm」を利用している、AFLOATのマスターさんを取材しました。
マスターさんのチャンネル「AFLOATマスター 美容師のノーチャイム放課後」はこちらからチェック★

マスターさん
マスターさん
AFLOATのマスターです。今日は美容師の皆さんに「stand.fm」の魅力をお話ししたいと思います。

 

「stand.fm」とは、誰でも簡単にラジオ番組をつくって配信できるメディア

 

――「stand.fm」を始めたキッカケを教えてください。

理由は2つあって、1つめは、今後情報収集は“~ながら”が当たり前になると思ったからです。ラジオは車を運転しながら、満員電車にゆられながら、仕事をしながら。元々“~ながら”需要に対応していて、このアプリを利用することで簡単に配信できるのであれば、やってみようと思いました。さらに、appleやSONYから相次いでワイヤレスイヤホンが登場し、情報は目で得るものから耳で聞くものへ既に変わっていると思ったんですね。もしくは、目で得ながら耳でも得るものになるなと。

2つめは、今後サロンの採用活動でも「stand.fm」が役立つと直感が働いたからです。もちろん、僕自身がしゃべるのが好き、普段のつまらない日常を声で保存しておくのもおもしろそうと思ったからというのもあります。

「stand.fm」を知ったキッカケは、コロナ前に飲み屋さんで出会った人に、おもしろいアプリありますよって、教えてもらったのが始まりです。

 

――使ってみての感想を教えてください。

リスナーから匿名でくる「レター」という機能が面白いです。僕の場合は、恋愛にまつわるお悩みが送られてくる場合が多いので、そのお悩みに回答する形で配信することも多いですね。美容学生さん、1人で美容室をやっている美容師さん、若手のフリーランス美容師さんから美容や経営、教育にまつわる質問レターも多いです。

僕はまだやったことがないんですが、ライブ配信機能もついていて、リアルタイムでレターに答えながら番組を進行する。ラジオと同じような使い方もできるようなので、新たな可能性を感じますよね。

 

――配信にあたって、原稿を用意していますか? いつ録音していますか?

原稿は一切用意していないです(笑)。その場で思ったことを話しています。いろんなお客さまと常にお話ししてきた、美容師という職業だからできる技でもあるとは思いますね。録音は、自宅で寝る前に、1日の反省もふまえて話していることが多いです。

 

――アプリのリリースから間もなく始められていますが、スピード感は重要ですか?

僕はInstagramを始めるのが遅れてしまったので、その反省もありますが、やっぱり今後伸びるであろうツールを早くから使う、始めておくメリットは大きいですよね。「stand.fm」は空いた時間にコツコツ録音して配信できるし、ネット上にはどんどんストックを貯められる。他のSNSにもURLで展開できるし、生産性が高いと思いますよ!

 

 

「stand.fm」から想像する、美容業界未来予想

 

――「stand.fm」が採用活動に役立つと思った理由を教えてください。

あくまでも僕自身の考えなんですが、今後数年は美容室の就職ガイダンスを従来通り大規模に開催するのは難しいだろうと。この春、会社説明会の情報をスタッフのinstagramやtwitterで発信してzoomで開催したのですが、僕が思っていたよりも数が集まらなかったということが重なって。情報に敏感な若い世代が反応するのは、もうinstagramやtwitterじゃないのかも……と思ったんですね。

「stand.fm」を知ったとき、今後何か情報を発信する時に声で発信する時代が確実にくるなとピンときたんです。まだ始まったばかりのマイナーなアプリですが、使い方や聞き方にこれから人が慣れてくる時で、今後Youtubeのようになる可能性があると思います。

 

――周りの美容師さん、お客さまでもやっていらっしゃる方がいますか?

後輩では1人、僕がおすすめしたのでやっている子がいます。お客さまでも既に配信している方がいて、その人とも話していて思ったのは、このコロナ禍で“人の気持ちが変わるスピードが加速している”ということでした。つまり、今後“~ながら”の延長線上にある、無駄な時間はムリ! 受け入れられない! そういう人が増えるということ。

美容室の話に置き換えると、相当なカリスマ美容師以外は、お客さまを施術中待たせることも許されない。待てない人が増える。ただし、この時代の波に乗らないと置いて行かれる可能性が高いのでは? とも思いましたね。それくらい数年後には主流になる話だと思います。

 

――そうすると、美容室はどう変わっていくのでしょうか?

お客さまを待たせないために、オペレーションの改善が迫られるのはもちろんです。

さらに、サロンのカリキュラムが必要なくなると思います。みんなで同じ時間に、同じ場所でレッスンするという時代が終わるでしょうね。みんな待つということができなくなってくるでしょうし、オンラインでできるならそのほうが効率がいいと。さらに、サロンのスタッフたちも“個”がより強くなり、カリキュラムにおいても正解が1つではなくなると思うんですね。私はこう捉えた、僕はこう捉えた、解釈したという風になっていくと思います。技術も同じにする必要がなくなるでしょうね。

もちろん、美容師として最低限のことは覚えなくてはなりません。例えばまっすぐに髪を切る技術、白髪をきちんと染める知識や技術など。それでも美容室は今以上に多くのお客さまが来る可能性はあります。なぜなら、今の学生さんはすでにInstagramやYoutubeからの“自分のファン”を持ってサロンに入ってくるからです。

 

――ファンを持ってサロンに入ってくるというのは、どういうことでしょうか?

例えば24歳で1000万円/月の売り上げを達成する美容師さんも、今はいるわけです。InstagramやYoutubeですでに自分のファンを確保していて、例えばカットはできなかったとしても、そのデザインやその人自体についているファンなんですよね。だから今後は、アシスタントという呼び方も変えるべきだと思いますし、スタイリストもアシスタントとはこういうものだ、という考え方を変えるべき。

サロンは、規定やルールをつくらない“箱”化していくのが僕の理想です。社員だけど自由にできる空間であるべき、これはあくまで僕の意見で社長の意見ではありませんよ(笑)バックアップ体制を整えないといけないですよね。バックアップ体制とは、例えば給与体系とか勤務形態ですね。

 

――今後、美容室の集客でどのようなプランをお持ちですか?

まずは、今までお話ししてきたように、声でCMや集客を行う時代がくる。(その時、目ではYoutubeを見ているので、Youtubeは今後も有効でしょうね。)さらに、僕が今考えているのは、美容室にもクローズドメディアを取り入れたいと。限られた人だけが得られる情報が載っている場所を作るという意味で、例えばfacebookのグループでもなんでもいいと思うんですが。お店に来たお客さまだけが入れるグループをつくって、そこだけの限定情報を流していくということに早速、新店舗で取り組む予定です。集客と求人で使うツールは、今後ますます同じになってくると思うので、この方法は美容室の求人にも有効かもしれません。

 

 

無限の可能性を秘めた音声アプリ「stand.fm」、声を録音して配信するというハードルは、始めてみると意外と低いかもしれません!

そして実はこの記事の半分以上は、私がサロンに送った企画書(質問表)をもとに、マスターさんが取材前に「stand.fm」で答えを配信してくれていた、その内容でできています。

取材前に、取材の半分以上が終わる。そんな時代の流れに驚きをかくせない担当編集からは以上です。

 

ますたー/1977年12月22日生まれ、新潟県出身。山野美容専門学校を卒業後、就職したサロンにて宮村浩気氏のアシスタントを務める。2000年AFLOATの立ち上げに参加。現在はXELHA店に籍を置きながら、錦糸町駅に8月末にオープンするAFLOATの新ブランド「Lall You」立ち上げに尽力中。

 

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