月刊BOBの長寿連載、『日本全国売れっ子スタイリストを探せ！』。なかなか知ることのできない、リアルに売り上げが高い美容師さんの数字や取り組みを赤裸々に取材するこの企画。2004年に「人が好き！美容が好き！」というメッセージを掲げて始まり、名前や形を変えながら日本全国の200名近い美容師さんを紹介してきました。（現在の連載タイトルは「日本全国売れてるスタイリストを探せ！」）働き方、ライフプラン、キャリアプランのヒントが詰まっていて、掲載はいつも雑誌の後ろのほうですが反響の大きい企画です。
今回は月刊BOB2004年11月号掲載の第8回をご紹介します（記事内容はすべて、取材当時のものになります）。
全国売れっ子スタイリスト連載第8回 CUT・S（カッツ）／広島県福山市］2004年11月号掲載
松井美恵さんの売り上げデータ
プロフィール
まついみえ／1977年5月19日生まれ。広島県福山市出身。倉敷作陽大学（現・くらしき作陽大学）教育音楽部ピアノ科を卒業。音楽の先生を志していただが、大学３年の時に音楽教員の求人数の少なさを知り方向転換。幼い頃から髪をアレンジしたりすることが好きだったため、美容師になることを決意。大学在学中から東部美容専門学校通信課程に入学し、同年からCUT・Cでアルバイトを開始。2002年から店長を務める。
サロンデータ
（有）イメージサロン・カッツ
オープン：1986年
スタッフ数：76名
広さ：17坪（１店舗目）
場所：福山市の元町宮通り。デザイナーズブランドショップが集中している、おしゃれなエリアだ。
指名客数200名超えの好成績
黄色が松井さんの数字。総客数・指名数ともに全スタッフで２位という好成績だが……
「技術はまだ発展途上。アシスタントをつけてお客さまを増やすのではなく、無理せずにいい関係性をつくりたい。一人ひとりに提供する内容を濃くして、客単価を上げていきたいですね（松井さん）」
量より質にこだわる、お客との向き合い方
指名客は多いが、こだわりたいのは新規リピート率だと言う松井さん。
「リピートを半分も逃しているのは悔しい。お客さまの心に響いているからリピートがある。響き方が完璧じゃなかったんです」
そのため、DMは必ず手書きで、オリジナルの内容を書いて送っているという。これはカッツのスタッフ全員が実践しているが、お客のスタイルや会話の内容を覚えるのが得意な松井さんが特にこだわっている部分でもある。
スタッフとお客の息がぴったり、そんなサロン運営をめざして
店長としても活躍する松井さんがめざすのは、「シンクロナイズドスイミングのような連帯感」。これはスタッフ同士だけでなく、お客を巻き込んだサロン全体がシンクロしている状態をつくりたいと語る。
「私とお客さまの関係性でも全力投球ですが、アシスタントが対応しているお客さまが楽しそうにしていると、もっと嬉しい。お客さまから『みんなの仲がよさそう』とか『楽しそう』と言われると最高の気持ちになります（笑）」
スタッフ同士とのコミュニケーションをなによりも大切にしている松井さん。そのため、朝の挨拶は誰よりも大きな声で、テンションを上げる。
「サロンワークはチームワークの良し悪しが要。明るい雰囲気はお客さまにもきっと伝わっていると思います」
