伸ばし途中を”我慢期間”じゃなくする提案
ハンサムショートにバズカット。空前のショートヘアブームで、ばっさりカットする女子が当たり前になりました。
とはいえ、女心と秋の空。そろそろショートも飽きたな~、伸ばしたいな~~なんて人も増えてくる頃でしょう。
月刊BOB2019年10月号では、そんな女子が楽しく“伸ばしかけ”を楽しめる提案を紹介しています♪
その中から、ショートの匠・細井 豊さん[vacilando(ヴァシランド)]流、伸ばしかけショートの考え方を紹介します。
※掲載当時、細井さんは「HEAVENS omotesando」在籍でしたが、2020年3月よりHEAVENSの別ブランド「vacilando」代表を務めています。
写真:北岡稔章
伸ばしかけショートのルールを意識しよう
えり足や耳周りが伸びて、フレームが崩れてきた。ウエイトが下がって野暮ったくなった。中途半端なレングスで毛先がハネて、セルフスタイリングでは扱いきれなくなった……。ショートから伸ばしていく過程での困った「あるある」。
ちょっとした「ルール」を意識すれば、そんな問題を解消して、どんなレングスでもベストな提案ができるようになります。
4つのルールを意識すれば、過程を楽しませる提案ができるはず!
ルール1 伸びたときに嫌なことを確認してゴールを設定する
伸びたときお客が嫌がるポイントはいくつかに決まっている。耳周りの重み、えりあしのもたつき、サイドやバックの丸みなど、避けたいことを確認してからゴール設定しないと、伸びても理想のフォルムにならない。
ルール2 切っていいいところと残すところを決める
ゴールとするフォルムに向けて、伸ばすことを前提に長さが必要な箇所と切ってもいい箇所を見極める。量感は3カ月~半年ほど経てば元に戻るが、長さが足りないとめざすフォルムはつくれない。必ず最終ゴールを明確にしてフォルムチェンジをしよう。
ルール3 ベストなフォルムバランスに固執しない
髪型として完璧なフォルムづくりではなく、ゴールを意識した上でのベストバランスをめざす。例えばマッシュベースでは前髪とサイドをつなげるのが「正解」でも、伸ばす上でサイドのレングスが必要なら残す選択が必要。
ルール4 スタイリングの提案幅を増やす
伸びてこれまでのスタイリングでは扱いきれなくなったレングスも、スタイリング法を変えれば新たな楽しみ方ができる。さまざまなレングス、カラーに合ったスタイリングの提案幅を持とう。
ヘアスタイル実例
ハチ上を残してボブへ繋げる! 伸びかけベリーショートの野暮ったさを回避
塗れ質感のマッシュショート。Beforeはえり足と耳周りが伸びてフレームがくずれ、ウエイトが落ちてきて野暮ったくなってきた。ボブへと伸ばしていくため、トップの長さはキープして、アンダーセクションで雰囲気を変えることに。えり足と耳周りをつめ、ウエイトを上げてすっきりとした印象に。グリースでスタイリングして、伸びた前髪を遊ばせながら、全体を濡れた質感に仕上げた。
ウルフへのフォルムチェンジで縦シルエットに伸ばす
メリハリのきいたマッシュウルフ。Beforeは上のスタイル同様、えり足と顔周りが伸びてメリハリのないフォルムになっている。このえり足を活かしてウルフへチェンジ。トップと顔周りでフォルムコントロールしよう。
パーマ提案で中途半端レングスの扱いづらさを解消
ひし方バランスのボリューミーカール。ボブからミディアムへ伸ばしていく過程で、スタイリングしづらかったり肩でハネやすくなるのを防ぐために有効なのがパーマの提案。強いリッジ感を出すため、コールドパーマを選択。えり足とそれ以外で巻き方を変えて、ひし形バランスに仕上げた。
3スタイルを参考に、伸ばしかけショートを楽しませる提案を実践してみてくださいね♪
細井 豊〔vacilando〕
ほそいゆたか/ 1984 年6月28 日生まれ。福岡県出身。大村美容ファッション専門学校卒業、HEAVENS入社。2020年3月よりvacilando代表を務める。サロンワークのかたわら、ヘアショーやセミナーなどマルチに活躍する。
この記事は月刊BOB2019年10月号「”伸ばしかけ”ショートへの処方箋」からの引用です。
さまざまなパターンの伸ばしかけショートのスタイルを紹介しています。
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