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俺は美容業界のトラック野郎! 石川県→熊本県、水害支援・熱血ドライブ

全国各地に災害をもたらした令和2年7月豪雨。中でも熊本県は死者65名、行方不明者2名(8月31日現在)を数え、多くの理美容室が被災しました。困っている同業者の一助になりたい! 水害で流されてしまった美容機器や美容器具を寄付しようと、石川県から熊本県までロングドライブした熱きオーナーの志を。

 

大物47点、小物9点
熊本水害の被災者へ美容道具を届ける

全半壊37棟、床上浸水4,580棟。7月3日〜4日に球磨川が氾濫し浸水被害にあった熊本県人吉市や球磨村、芦北町は、復興の途上にあります。
この地域で理美容室の被害は60軒(ウッディチキン調べ)。大半が店舗兼住宅で、生活物資を流されてしまったサロンも多く、営業再開どころか生活がままならない人、今なお避難所暮らしの人もいます。

日頃からボランティア活動を行っている美容団体ウッディチキン(伊藤豊代表※下記参照)では、水害発生直後に現地サロンとLINEグループを結成。7月は主に生活物資を、8月からは営業再開へ向けた美容機器や器具を寄付する活動を継続しています。この過程で、1店舗あたり4万円の支援金も贈りました。

ウッディチキン
「積徳/魂の修行と行動」を理念に掲げるNPO法人。会員2300名。2011年の東日本大震災の際には現地に「絆美容室」を設立、近年はフィリピンでボランティア活動を行うなど、利他の行動を重ねて徳を積み、仕事や人生を豊かにする善行を目的とする。

 

石川県金沢市で2店舗を展開するサムソン&デリラの松村謙助オーナー(43)は、同グループの1人。水害直後は水やカセットコンロなどの生活物資を現地へ送り、その後は美容道具を送りました。ところが、セット椅子やワゴンなど大型の美容機器は送料が高額な上、大きすぎて宅配便の対象にならないモノもあります。そこで、松村さんは思いきった行動に出ます。被災サロンへ直接、支援物資を届けようとトラックをレンタカー。LINEグループサロンから支援物資をピックアップしつつ、被災地へ向かったのです。

もともと、松村さんは県外セミナーなどの際スタッフを送迎する目的で、中型8トン限定解除免許を取得していました。29人乗りのマイクロバスを運転できる免許です。それが役立ちました! 今回、運転したのは全長6m48㎝の3tトラック。4泊5日の行程は以下のとおりです。

【スケジュール】

〇8月23日(日)の営業終了後
石川県金沢市を出発。
富山県のサロンでセット椅子2脚を受け取り。

〇8月24日(月)
愛知県、大阪府のサロンで支援物資を受け取り、大阪南港19:05発→別府国際観光港(大分県)06:55着フェリーに乗船。

〇8月25日(火)
熊本市内2サロン、1ディーラーを回り支援物資を受け取り、午後に被災地入り。
大物47点、小物9点の美容道具を現地サロンへ届ける。

〇8月27日(木)
復路はフェリーに乗船せず、陸路で石川県着

 

【届けた支援物資のうち大型のもの】
ローラーボール5台
加温機1台
スチーマー1台
セット椅子5脚
待ち合い椅子8脚
セット面1面
置き鏡2面
ワゴン6台
リクライニングソファー1台
消毒用アルコール10リットル

 

当初は1人旅(?)の予定でしたが、道中でサプライズがありました。松村さんの行動に共感した愛知県小牧市のサムソン&デリラisms…の大勝正樹オーナーが「1人だと何かとたいへんだろうし、共に被災者のお役に立ちたい」とトラックに同乗してきたのです。思わぬ善意の連鎖反応を得て、美容道具をパンパンに荷積みしたトラックは現地へ入りました。

「被災者の皆さんとは事前にLINEでやり取りしながら、個々に必要な物資を届けました。皆さんはとっても喜んでくれて、たくさんの笑顔を見られてつくづく行ってよかった!と感じました。現地はまだ壁紙をはがしたままの店、後片付けに追われている店など惨状は目を覆うばかりですが、前だけを向いて頑張っていらっしゃいます。1日も早く営業再開してほしいと心から願っていますし、今後も支援は続けたいです」(松村さん)

 

なぜ、ボランティアをするのか?

これまでウッディチキンを通じて、フィリピンボランティアにも従事してきた松村さんですが、実はボランティアを好きでやっているわけではないそうです。

「ボランティアはともすると自己満足に陥りがちで、押し付けがましい行為になるのではないかと自問自答しながらやっています。たとえばフィリピンボランティアでは、日本人の感覚なら『かわいそう』とつい子どもたちへ手を差し伸べてしまいますが、国が違えば文化も違うので、必ずしもそれが正解ではないと学びました。

今回の熊本水害支援でも、美容道具をたくさん集めて送ったところで必要なモノでなければゴミを増やし、現地に迷惑をかけるだけ。いわゆる、ありがたメーワクってやつです。実際、現地には日本中から送られてきた“不要な支援物資”がゴロゴロしていて、捨て場に困っているそうです」

それでも松村さんをボランティアに駆り立てるエネルギーは、長年培ってきた職業観とのこと。

「美容師は、髪を切ってお客さまを笑顔にする仕事。その方のために何をして差し上げるか、いつも相手のことを想った結果、人に喜んでいただける職業です。僕がボランティアに従事するのは美容師だから、かもしれません」

熊本水害支援に限らず、今後も自分にできることがあれば行動したいと意気込む松村さん。今月半ばにはウッディチキンの仲間と共に現地を再訪し、新たな支援活動を行う予定です。

なお、レンタカー代、ガソリン代などこのたびかかった総費用は24万円でした。松村さんは自己負担するつもりでしたが、ウッディチキン事務局の計らいで費用は同団体が負担しています。

 

被災サロンの皆さんはほんとうに喜んでくれた!

写真中央は、現地で被災サロン支援の中心的役割を果たしている平瀬裕一さん(U Brand/人吉市)。当日は松村さんたちの案内役を務めた

 

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