時代は、タイムパフォーマンスを上げる取り組みが活発化しそうな流れ。（10月号の月刊BOB、月刊NEXT LEADERではともに「タイムパフォーマンス」にフォーカスした特集を行います！）
コロナ渦によって、サロンでもさまざまなアイデアや新しいメニューが開発され、短い滞在時間・施術時間でもタイムパフォーマンスを上げる取り組みが工夫されています。
今回はタイムパフォーマンスを上げるメニューの新しい切り口を取材。約10年に渡り統計心理学を学んだMARGAUX by GARDEN清水秀和さんによる「心のカウンセリング」です。
占い？ いいえ、学問です。
突然生年月日を聞かれ、「占いは信じないですよ（特に血液型占い）」と思うも束の間、筆者自身が築きやすい人間関係の指摘は驚くべき命中率でした。
＜統計心理学とは？＞
統計心理学とは、田中久雄氏（株式会社PID）によってまとめあげられた、人の素質のタイプを8640万パターンに分類した理論。
素質を発見する手がかりは誕生日にあるという仮説を立て、それを立証するために様々な企業と研究チームをつくり、過去データから統計学的に解説して法則性を発見。そこからさらに目的別に定義、体系化して、実践的かつ戦略的に活用できる理論として完成した。
占いとの違いは、統計的に有意な現象を抜き出して体系化されている点。
統計心理学は、心をつかむ最短戦略！
ーー学びのきっかけは何だったんですか？
もともとはGARDENで店長になった頃に、たくさんのスタッフを束ねる立場だと、人がもともと持っている素質や性格に合わせて言い方を変えたほうが伝わりやすいことに気づいて学びはじめました。この学問は奥が深くて、10年かかりましたね。
学んでいくうちに、さまざまなコミュニケーションに活用できることがわかりました。
＜活用＞
①自分のデザイン
・自分と相手の強み、弱み、育て方がわかります。
・自分の役割や生き甲斐がわかります。
②人間関係デザイン
・ストレスのない円満な人間関係が確立できます。
・他人を理解でき受け入れる事ができます。
③ストレスデザイン
・人間関係のストレスを確実に軽減することができます。
・人からの指摘をストレスなく受け止められます。
④コミュニケーションデザイン
・話が通じない理由がわかります。
・短時間に誤解なく伝えることができます。
⑤組織デザイン
・思い通りの組織ができます。
・少数精鋭の組織ができます。
⑥生産性・効率デザイン
・ピンポイントの顧客支援ができます。
・無駄がなくなり、生産性や効率性が上がります。
⑦時間デザイン
・リスクマネジメントができます。
・不調な時期でも好転する方法がわかります。
ーーコロナによって生まれた新メニュー「滞在時間30分カット」も好評と聞きました。次はこのカウンセリングをどうメニュー化しますか？
まだ料金は決めていないのですが、裏メニューとして10月からメニュー化の予定です。カウンセリング時間は30分くらい。カットやカラーの施術後の付加価値にできたらと考えています。
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- 以前はアイラッシュを行っていた個室をカウンセリングルームに。30分のメニュー化を予定している。
ーー無料カウンセリングをはじめて、お客さまの反応はどうですか？
お客さまご本人の素質を統計学的に知ること自体に関心を持っていただいていますが、僕のお客さまの世代ですと、お子様に関する素質を知りたい方が多いですね。自分自身のことはわかっていても、子供のことになると、何を伸ばしてあげたらいいか？ コミュニケーションで悩むことも多いみたいで……。
まさに息子とのコミュニケーションに悩む筆者も、統計学上の素質を聞いてみました。
・永遠なる少年気質
・純粋で正直
・チャレンジ大好きで失敗を恐れない
・器用になんでもできるが飽き性
「永遠なる少年気質」ってピーターパンじゃないか（子供もか）。遺伝子レベルで的中していることに頭を抱えていると、清水さんからアドバイスが。
「できるだけ早く、人生の大きな目標を明確につくることが大事です」
基本的な素質を理解して、その素質を高めるほうが無理なく、しっかりした子に育つというのが清水さんのアドバイス。
聞けば聞くほど、この考え方はスタッフ教育にも使えそうです。
離職率も変わった
ーースタッフ教育の現場ではどう変わりますか？
この統計心理学がわかっていると、スタッフ同士での伝え方、コミュニケーションにも役立ちます。「こういう素質があるから、いいところを伸ばす伝え方をしよう」と教育方法も明確になります。
人間関係に悩んで退社してしまうのって、一番さみしいですよね。僕自信、美容師を一度辞めているので、美容師の仕事の素晴らしさを痛感した時期がありました。だから自店のスタッフはもちろん、すべての美容師さんが人間関係のような改善できることが原因で辞めてほしくないんです。実際、この心理学を学びはじめてから、離職率は減りました。
今は心の時代ですよね。美容の仕事とは少し異なる角度ではありますが、美容師の仕事の範囲を広げ、価値を高めたいと考えています。
美容師だからできること
美容室で髪を切ってもらっている関係って不思議で、身近な人にはあまり話していなかった個人的なことも、なぜか美容師さんには話していたりします。
「美容師さんはいろんな人の人生を見ているから、相談したくなるのでは？」
「自分の一部に触れる仕事だからでは？」
そんな議論にもよくなります。
だからこそ、このカウンセリングは美容師さんが行うことに意味があり、信頼感のうえに成り立つメニューなのではないかと思うのです。
しかも、これは学問。占いではありません（笑）。
清水秀和 美容師・統計心理学カウンセラー
しみずひでかず／1977年2月12日生まれ。東京美容専門学校卒業後、都内サロンに勤務後、一度美容師を辞める。2006年、GARDENのオープニングメンバーとしてGARDEN入社。銀座drive for gardenの店長としても活躍し、2017年5月にさいたま市浦和区にGARDEN初のFCサロン、MARGAUX by GARDENをオープン。美容師だからできる仕事の幅と価値を高めるべく、全国で学べる理美容統計心理学協会を発足準備中！ インスタ（＠magoshimizu）フォローお待ちしております。
