女性が働きやすい徹底時短の仕組み
写真:小辻友晴
人口約5万人の鹿児島県出水市にあるJET HAIRは、代表以外のスタッフ全員が女性。
さらにその半数が育児中だ。
時短勤務者であり出水店店長の嶋野さんは、6 時間勤務で月間平均総売上140万円、副店長の藤本さんは7.5時間勤務で159万円と売り上げも高い。
育児中の女性も無理なく働けるJET HAIRでは、
★全スタッフの月の平均残業時間30分
★時短勤務者は月2回、パート勤務者は毎週日曜休み
★10分あたりの生産性は1500円
を実現している。
その秘密を、サロンワークをのぞいてさぐってみた。
(この記事は、月刊BOB2019年6月号の記事を改変して掲載しています)
女性による女性のための 驚きの時短サロンワーク
カウンセリング:ツヤorボリュームでおすすめメニューを決定
カウンセリングではまず、ボリュームかツヤのどちらが欲しいか質問。
お客の悩みは基本どちらかに収束するためだ。
それぞれのおすすめメニューや店販が載ったリーフレットを見せながら要望を聞き、時短を図る。
カット:所要時間5分!ベースカットはスタッフ全員で統一
スタッフ間でベースカットの技術を統一。
シザーズも全員同じものを使うことで、セニングはシザーを何回開閉したらこのくらいの量になる、など具体的に技術共有が可能になる。
考える時間が減る分スピードアップでき、カット時間目安は早い人で5分、長くとも8分以内。
また、子供の体調などによって急遽休むことになっても、技術の質が同じなので他のスタッフが対応しやすいメリットも。
カラー・パーマ:塗布時間と放置時間を極限まで短く
●浸透を早めるミストで放置時間短縮
薬剤を使用するメニューは、前・後処理にケイ素と亜鉛入りの水を使い浸透しやすくし、湿熱器を当てて加速。
質は担保しつつ、通常15 ~ 20 分ほどの放置時間を2~5分に短縮!
●効率重視のスピード塗布
普通カラーは内側から塗布することが多いが、塗りはじめと終わりに時間差がないため、ダッカールは使わず表面から塗布。
目立つ表面を、一番きれいに仕上げられる。
シャンプー:オートシャンプーで空き時間をつくる
昨年オートシャンプーを導入し、人手を他に回せるように。お客には告知文とともに「スタッフの働き方改革のため導入しました」と伝えると、応援してくれたり、その取り組みを褒めてくれる人もいたそう。
ビューティメニュー:ビューティメニューは“ついで”にできる手軽さ
●フォトフェイシャル
顔に光を当て、シミ、シワ、たるみ、ニキビ跡や赤ら顔をやわらげるフォトフェイシャルは15000 円と高単価。短時間で施術できるため、イベントシーズンにプラスする顧客も多い。
●アイラッシュ
メイクが楽になると主婦層にも人気のアイラッシュ。120 本なら40分、260 本なら1時間ほどで施術可能。9 割のお客が次回予約を1カ月以内に取るため、来店周期を縮める効果も。
●脱毛
フォトフェイシャルと同じ機械を使用する脱毛。カットの後に「ショートがより綺麗に見えるように、3分でできる襟足脱毛をしていきませんか」などと声がけする。
お会計:メッセージ付きのドリンクでコミュニケーション
朝、予約客のカルテチェック時に書いておいたメッセージ付きのメモを、退店の際に渡すドリンクカップのふたにペタリ。
たとえ忙しくて会計をアシスタントに任せてしまっても、お客とのコミュニケーションを補える。
施術時間自体が短くても、こういった細やかな気遣いで関係が深まり、再来につながる。
このように徹底した時短を実現し、しっかり給料を還元したところ、スタッフの満足度はアップ。
「卒業式のときに綺麗に泣くためのまつエクキャンペーン」など、主婦目線のキャンペーン企画も出るようになったとか。
働き方改革が求められる現在、このようなサロンの取り組みに学びたい。
JET HAIR[ジェットヘアー/鹿児島県出水市]
1998 年に鹿児島県阿久根市に一店舗目を設立。2004 年に出水店、2014 年にアイラッシュ& 脱毛サロンを2 店舗同時オープンした。女性スタッフが多いこともあり、働き方改革・時短化に精力的に取り組む。今春からサロンを改装し、「ビューティジム」というセルフエステ・ホワイトニングの定額メニューを開始するなど、クロスビューティーに力を入れる。
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