令和女子が本当になりたい、モテる髪型教えます。

女子が本当になりたい、モテる女子って何なのさ～！

月刊BOB４月号では、「令和のモテ髪大研究」と題して、今をときめく美容師さんにそれぞれが思うモテ髪をつくってもらいました。

みなさんにお話を伺うなかで、あぶり出されたキーワードは「あざとさ」「上質さ」「脱力感」。

この３要素によって、令和のモテ髪は成り立っているのです！！！！！

（ということにBOBでは定義づけました。）

それじゃあ、女性美容師が考えるモテ髪って？

どんなにモテたとて、ダサい髪型はいやだ～～自分の好きは曲げたくない～～～～～！

そんなわがまま令和女子の心に刺さる、女子がなりたいモテる女子の髪型を、SYANの米澤香央里さんと、NORAの阿形聡美さんに提案してもらいました♪

米澤さんが提案するのは「こだわりを曲げないあざとガール」

米澤香央里［SYAN（シアン）/東京・表参道］：ヘアメイク

東 京祐［tokyojork］：写真

顔周りのディスコネで、ボブにひとさじの違和感を。

リップラインのワンレンボブ。前髪の外側を長めに取ってディスコネし、下ろすと顔周りとなじみ、スタイリングで触覚のようになるポイントをつくった。この少しの違和感が女子が求める“ なんかかわいい” のカギ。顔周りのカールでモデルの愛らしい顔立ちをあざとく引き立て、セミウエットな質感で色気をプラス。カラーは肌が健康的に見えるモカブラウンで全方位モテ。

POINT１　シースルー前髪は、外巻で上品に

すき間をつくり脱力感を演出した前髪は、センターパートで外ハネに。ランダムでなく一定方向への毛流れが上質さを感じさせる。トップとアンダーで分けて重ねたカールで少しの違和感をプラス。

米澤さん

一見男子ウケするナチュラルなバランス。大胆なカールで個性を出したい女子のこだわりも同時に叶えます★

POINT２　女子心をくすぐるインフォルム

顔に沿わせながら縦に巻いたカールを前に引き出すと、小顔効果も相まって女子に嬉しいデザインポイントに。小動物を連想させるコンパクトに収まったフォルムと、ガードの固い少女のような雰囲気が女子心をくすぐる。

米澤さん

顔周りの髪を耳にかけると無防備な雰囲気になって、男子ウケするデザインに早変わりしますよ！

POINT３　質感はセミウエット、カール感はしっかり

髪が綺麗に見えるツヤ感は押さえつつ、カールの立体感は残したい。オイルでツヤを出しながらバームでカールを起こし、シーソルトスプレーでけだるい質感をプラス。ツヤだけではないこだわりがおしゃれ女子の心をつかむ。

米澤さん

色気を感じるツヤだけでなく、しっかり起こしたカールでヘアにすき間ができ、抜け感が生まれます♪

米澤さん

自分の意思を表明する女性が増え、髪型のオーダーも「おまかせ」にしない時代になってきました。異性にモテたいという願望を持つ人は多いけれど、自分の好みは曲げたくない方が多いですね。モテに振り切るより、同性に褒められたり自分が気に入るヘアの方がリピート率も高いです。

ヘアスタイルで、女性と男性で見ているポイントが違いますよね。ふわっとしたシルエットや色気を感じるツヤなど男性ウケ要素は押さえつつ、顔周りなどに女性が好きなデザインを入れこめば両性ウケは実現可能。一見シンプルなスタイルにさりげなく違和感を足すのが米澤流です。自分の良さをうまく出せる、知的であざとい女性がどんどん増えて欲しいですね。

阿形さんが提案するのは「本命狙いの脱力ガール」

阿形聡美［NORA（ノラ）/東京・表参道］：ヘアメイク

東 京祐［tokyojork］：写真

レイヤーとスライドカットでつくる重軽ミディアム

アンダーのカットベースは重めのワンレングス。耳前とハチ上にレイヤーを入れてウルフ風のシルエットに。仕上げにスライドカットを入れ、束感と抜け感をプラスした。気合いが入り過ぎない自然体な女性像は、「長時間過ごしても疲れない＝本命に選ばれる」ポイント。顔周りのカールはあざとさの象徴だ。カラーはピンクベージュで髪にツヤを出し、上気した肌を演出した。

POINT１　すき間をつくって、眉上バングの少女っぽさを回避

眉上に設定した前髪は女の子らしさを感じさせるが、分厚過ぎると子供っぽく、また個性が強過ぎる印象になる。レイヤーを入れてすき間をつくることでナチュラルで抜け感のあるバランスに仕上げた。

阿形さん

万人受けするとは言えない眉上バング。バランスよく個性を取り入れ、好みが合う相手をターゲティングできます！

POINT２　目元に視線を集める、顔周りの短い毛束

顔にかかる毛束は目元に視線を集め、対峙する相手をドキッとさせる。短い毛束にかかったワンカールは寝起きのくせ毛を思わせ色気もたっぷり。さりげないポイントがあざとさをつくりだす。

阿形さん

スタイリングはバームで。ツヤと束感を出しつつも、触れられたときにベタつかないのがポイントです。

POINT３　アップや耳かけで揺れるもみあげのおくれ毛

サイドの髪を耳にかけることで見えるもみあげの毛束。簡単に印象を変えられ、二面性をアピールできる。アップしてもだらしなく見えないバランスのおくれ毛が、ほどよいリラックスムードを演出。

阿形さん

うぶ毛のディティールにこだわりたい女心も、女性ならではの要素にグッとくる男心もつかむ万能パーツですよね★

阿形さん

私のお客さまは30代前半で、雑誌『CanCam』が生み出したエビちゃんOL※1 的な流れの反動でモテを探求することにためらいのある方が多い印象。結婚を考える年頃だけど好みは曲げたくないし、不特定多数にチヤホヤされたいわけでもない。だったら自分が狙った相手の本命になろうよ、と提唱しています。

今モテるのはハッピーで自己肯定感が高い女子。エロ髪には生物が本能的に惹かれる要素を盛り込んでいますが、そんな髪型にしたこと自体が自信になるんです。

漫画『NANA』で意中の相手を落とすために駅の階段でわざとミュールを脱いで終電を逃した幸子※2 のように、あざとく主体的に本命を掴みましょう♪

※ 1 エビちゃんOL：2004 ～ 2008 年頃雑誌『CanCam』（小学館）が打ち出すコンサバ系モテファッションが流行。専属モデルの蛯原友里をアイコンとする「エビちゃんOL」が一大ブームになった。

※ 2 幸子：矢沢あい著の漫画『NANA』（集英社）の登場人物。コミック第３巻の中で、主人公・奈々の恋人章司を略奪するため、終電間際のホームに向かう階段でミュールが脱げるアクシデントを演出した後上目遣いで放った「わざとだよ？」というセリフは読者に衝撃を与えた。

自分の意思を持っていて、自分の見せ方を分かっている。

そんな女子は、女子にも男子にも憧れの存在。

ぜひ、サロンワークの提案に活かしてみてください♪