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今こそリピーターづくりに効く、「酸熱トリートメント」の提案を!

 

新型コロナの影響により、セルフカラーやセルフカット、ホームケアの需要が高まっている。

しかし、営業自粛期間が開けた今こそ、改めてプロとしての提案をしたいところ。自宅で再現できないメニューの一つである酸熱トリートメントは、施術を繰り返すことで効果が生まれやすくリピーターづくりにも繋がりやすいメニューだ。

今回はBOB3月号別冊で紹介した、酸熱トリートメントの提案を得意とする奥村一輝さん(K-two/東京・池袋)のサロンワークに密着。奥村さんは、10社以上の酸熱トリートメント検証比較経験があり、営業でもトリートメントメニューの5割を「酸トリ」が占めている。

そんな“酸トリのエキスパート”ならではの提案や施術のポイントを学んでみよう!

奥村一輝 [K-two/東京・池袋]

近藤みどり:写真

 

 

そもそも、酸熱トリートメントってどんな効果があるの?

奥村さん
奥村さん
僕が解説していきます!

簡単に言うと、

グリオキシル酸(またはその他の酸性成分) を アイロンの熱処理(脱水) で作用させ 髪を内側から補強させる効果 のこと。

上の左写真は「親水性が高く、ダメージが進行している」状態。ここに熱処理を加えることで右写真のように「疎水性が高まり、ダメージの進行を阻止」してくれるのです。

「酸熱トリートメント」を行うことでクセが緩和されたと感じるのは、上記の作用によって髪にハリとコシが出るからなのです。

 

奥村流「酸トリ攻略ポイント」5つを紹介

顧客の「なりたい髪」について、カウンセリングで見極めよう!

酸熱トリートメントの特性をきちんと伝えておかないと、「思っていたのと違った」と言うクレームにもなりかねません。そのため仕上がりイメージの共有がとても重要になります。以下の4つのポイントをお客さまと共有しましょう。

・施術に適する「髪質」:クセ毛・エイジング毛

逆に、硬毛・太毛は効果が出づらくなります。髪質によって仕上がりに差が生まれるので、あらかじめ確認しておきましょう。

・かかる「金額」:10,000円前後の高単価メニュー

高額になる理由を施術前にしっかりと伝えておくことが大切です。

・望ましい「施術頻度」:3カ月内に3回来店が理想的

繰り返すことでより効果を発揮するメニューだということを必ず伝えましょう。

・提案しやすい「顧客のニーズ」:髪を扱いやすくしたい人に響きやすい

クセやエイジングなどで毎日の手入れが大変、という人に響きやすいメニュー。縮毛強制などとの違いも丁寧に説明しましょう。

 

クオリティを左右するのは“予洗い”

丁寧な予洗いによって「残臭防止」「かかりムラを防ぐ」2つの意味合いがあります。これは肌で言う「クレンジング」と同義。しっかり落とすことで、仕上がりの精度を上げていきましょう。

カラーとの併用は手順に注意

酸熱トリートメントの施術は基本的に、

前処理 →  グリオキシル酸 →  後処理

と言う流れで進みます。

 

もしカラー施術と併用する場合、

×  前処理 →  グリオキシル酸 →  カラー →  後処理

◯ 前処理 →  カラー →  グリオキシル酸 →  後処理

と言う手順がベター(※1)。

「×」の工程の場合、酸の作用で引き締めたキューティクルをアルカリで再び開くことになるため、酸熱トリートメント効果の効果が半減してしまう恐れがあります。

「◯」の工程の場合、グリオキシル酸は酸化染料に吸着する性質があり、発色を妨げる結果(※2)、明度が2トーンほど上がります。そのため、明度変化を見越した薬剤選定が必要になります。

 

※1 ブランドによって推奨工程はさまざまです。

※2 諸説あります。

 

めざす仕上がりはドライ&ブローで調整

グリオキシル酸は塗布だけでは効果を発揮しません。その後の脱水によって毛髪内で作用するため、乾かし方によって仕上がりの形状に違いが生まれます。

例えば、

●扱いやすさや手触りを重視したいお客さまには・・・手ぐしでブロー

●ストレート感を重視したいお客さまには・・・ブローブラシでブロー

など、ここでもお客さまのニーズをしっかりとくみ取りましょう。

 

アイロン工程が「持ち」を左右する

髪の形状固定ではなく、水分を飛ばすためのアイロン処理なのが縮毛強制と似て非なるポイント。グリオキシル酸は熱処理を加えなければ効果を発揮しないので、根元から毛先までムラなく仕上げることがポイントです。

奥村さんが考える、酸トリ提案のポイントとは?

奥村さん
奥村さん
メニュー名は独自化すべし!

これからの時代、「どこの美容室でもできる」施術では、お客さまの心は離れていってしまうと思います。だからこそ、独自化の一つの方法としてメニュー名で差をつける工夫をしてみましょう。

 

奥村一輝[K-two(ケーツー)/東京・池袋]

おくむらいっき/1983年10月15日生まれ。日本美容専門学校卒業。現在はK-two池袋(東京都豊島区)代表。10社以上の酸熱トリートメントの検証経験を持つ。2018年、2019年度売上全店1位を記録。

この記事は月刊BOB2020年3月号の別冊付録、「酸熱トリートメント&ブレックス系パーフェクトガイド」からの引用です。在庫僅少ですので、お早めに!

 

 

 

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