普段から自然と意識している髪型。美容師のみなさんも職業柄そうでしょうが、美容雑誌編集のわたくしたちも、やっぱり仕事以外でも気になってしまうのが髪型です。
日本にいるとさほどでもありませんが、海外旅行などにいくと、「ああ、髪型って文化の1つだな」と実感します。
身分や宗教で制限されることもあるヘアスタイル。とんでもないボリュームヘアが高貴さをあらわす手段だったり。
(そういえば、10年前に流行った「盛りヘア」って今考えてもアバンギャルドだった。「盛る」って言葉は残っているし文化の1つですねあれも)
髪型を文化ととらえた展覧会!? しかもアジア★
色もボリュームも質感も自在に変えられる「額縁」であり、じつは顔よりも印象に残ってしまうのが髪型。
さて、何が言いたいかといいますと……
髪型を1つの「文化」として捉えた展覧会が、福岡で開催されるという。しかも、アジア限定!
その名も「あじびヘアカタログ」! ポスターも、なんともユルイ感じ(ごめんなさい、褒めてます)。誰が発案したのか問いたい。
キャッチフレーズが「アジア各国のヘアスタイル自慢が大集合!」
ヘアスタイルを少しだけご紹介。赤毛のカーリーヘアは、パキスタンから。女性の肉感的な感じからも、ボリューム=豊かの象徴ということがわかります。
映画のポスターかしら?
こちらは中国。ハルピン北満たばこ会社ポスター。フィンガーウエーブ風スタイル。1920-30年代のもの。
まじで行きたいんですけど! 出張が自粛されている今、これを見に行くだけでも福岡に飛びたい。
主催は福岡アジア美術館。以前出張にお邪魔した際訪れたことがある美術館、いつもちょっと変わった展示をしています(建物もステキ♥)。
アジアっていうだけで、土臭く、陽気でユニークな感じが出るのはナゼなんでしょうかね。
あじびヘアカタログのコンセプト
以下、展示のコンセプトを転載。
1、アジア各地のさまざまな文化と髪型
アジア各地には実にさまざまな文化が広がっています。髪型もその1つ。華やかなアップスタイルもあれば、宗教的な理由から髪をそったり隠すところもあります。中には髪を切る習慣がないところもあります。
2、いまのアジアのヘアスタイル
近代に入るとアジアも西洋文化の影響を受け、ファッショナブルなヘアスタイルにより「自分らしさ」を追い求めるようになります。さらに現代の技術で可能になった多種多様な髪型は、メディア上のモデルを通して刺激された人々の「こうなりたい」という願望とともに、進化しています。
3、髪と女性と社会
日常生活や儀式などで女性の髪形が華やかに彩られる一方、性別や結婚、身分などによりさまざまな制約を受けている髪型があることに気づきます。伝統や習わしに基づく髪型の役割と、それに伴う不自由さに疑問を投げかけることで、あらためて社会の在り方を問う現代アートも紹介し、髪をモチーフに女性と社会について考える展示となっています。
引き出しを増やす手段としての髪型
今年は新型コロナの影響で名だたるコンテストが軒並み中止となってしまいましたが、インプットの時期と考えてこういった展示から吸収してはいかがでしょう?
髪も文化だし、ファッション(流行)であるけれど、文化的背景を知るのも引き出しを増やす手段の1つになると思います。多分、いや絶対インスパイアされると思う……美容師さんたちにとって、見逃せない展覧会は9月22日まで!
福岡に行く際にはぜひ!
「あじびヘアカタログ」展概要
[日程]2020年6月25日(木)~9月22日(火・祝日)
[時間]9:30~18:00 ※ギャラリー入室は閉室30分前まで
[休館日]水曜日 ※コロナの影響で変更になる可能性があります。必ずホームページなどで確認ください。
[会場]福岡アジア美術館 7階 アジアギャラリーB
[観覧料]一般200(150)円、高大生150(100)円 ※( )内は20名以上の団体料金
中学生以下無料
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